★26/07/16 NEW!!★
★26/05/07★
★26/04/29 参考書ルートに関する動画をUPしました!★
解法パターンの言語化に徹底的にこだわった高校数学の参考書『Principle Piece』シリーズは全分野販売中!
『Principle Piece』シリーズは、一言で言うと『The Rules』の数学版です。
★計算練習帳もあるよ★
理系数学で必須の積分計算練習帳『∫calc.』
★『∫calc.』 ★
高校数学の計算練習帳『計算0.9』
★『計算0.9』 ★
★拙著シリーズ『Principle Piece』ってどんな参考書?★
2026年 共通テスト数学 講評動画
★NEW!!(24/03/23)★
これから勉強を始める受験生必見の動画をUP!!
★関連サイト・SNS★
※2013年度のエントリーについては、上のリンク先に移転しました。
AI教材作成で気づいたこと ~プロンプト改善だけでは足りなかった話~
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。KATSUYAです。今回は普段とは少し違う、数学教材とAIに関するお話です。どちらかというと数学指導者向けの話になります。
最近は、生成AIを活用して教材を作る人が増えてきました。 私自身も、数学教材の制作にAIを取り入れながら、より効率よく、より質の高い教材を作る方法を試行錯誤しています。
その中で気付いたことがあります。
「良いプロンプトを作ること」と「良い教材を安定して作ること」は
必ずしも同じではない
この記事では、私自身がAIで数学教材を作る中で感じたことや、試行錯誤を通してたどり着いた考え方について紹介します。 AIを教材制作に活用したいと考えている方の参考になれば幸いです。
AIで数学教材を作り始めた理由
数学教材を作るには、思った以上に時間と手間がかかります。
問題を選び、解き、解説を書き、数式を整え、図・グラフを作成し、レイアウトを調整する。 一つひとつの作業はそれほど難しくなくても、すべてを積み重ねるとかなりの時間になります。
私も普段から教材を作る中で、 「この作業をもっと効率化できないだろうか」 と何度も考えてきました。
そんなときに登場したのが、みなさんご存じのChatGPT,Geminiをはじめとする生成AIです。 文章を書いたり、プログラムを作ったりできるAIなら、 数学教材の作成にも活用できるのではないか と思いました。
実際に使ってみると、問題文を読み取り、解説を書き、LaTeX形式で出力するといったこともある程度はこなしてくれます。 初めてその出力を見たときは、
と期待したことを覚えています。
もちろん最初から完璧だったわけではありません。 それでも、 AIの可能性は十分に感じられました。
そこで私は、本格的にAIを使った数学教材制作の検証を始めることにしました。
まずはプロンプト改善に取り組んだ
AIを本格的に教材制作へ活用しようと決めてから、私が最初に取り組んだのはプロンプトの改善でした。
AIは与えられた指示によって出力内容が大きく変わります。
そこで、 「どう指示すればより良い教材が作れるのか」 を一つひとつ検証していきました。
例えば、AIに与える役割を細かく指定したり、出力形式を統一したり、
数式や図に関する指示を書き加えたりと、少しずつプロンプトを改善していきました。
一度試して終わりではありません。 出力結果を確認し、 「なぜこのエラーが起きたのか」 を分析し、再びプロンプトを修正する。
この作業を何度も繰り返しました。
このような試行錯誤を繰り返した結果、教材の品質は確かに向上しました。
以前よりも自然な解説が出力されるようになり、数式の体裁も改善され、教材として使えるレベルの出力も増えてきました。
「やはり、良いプロンプトを作ることが重要なんだ。」
最初はこのように考えていました。 実際、ここまでの改善だけでもAIは十分便利なツールになっていたからです。
しかし、検証を続けるうちに、私は少しずつ違和感を覚えるようになりました。
最初は気のせいだと思っていましたが、問題数をこなすほど、その違和感は無視できないものになっていきました。その原因は、次第に明らかになります。
でも品質は安定しなかった
その違和感の正体は、
「品質が安定しないこと」
でした。
プロンプトを改善したことで、教材の品質そのものは確かに向上しました。 しかし、 品質が向上することと、 品質が安定することは、まったく別の話だったということです。
例えば、まったく同じプロンプトを使っていても、問題が変わるだけで出力結果が大きく変わることがあります。 ある問題では、そのまま教材として使えるほど完成度の高いものが出力される一方で、別の問題では思わぬところで品質が崩れてしまうことがありました。
特に多かったのが、 図の出力です。
- 解説は自然なのに、図だけがおかしい
- 座標の位置が少しずれている
- 塗りつぶし領域が数式と違う
- 補助線が不要な場所に入っている
- 数式や論理には特に問題ないが、図だけを見ると教材としては使えない
というケースが何度もありました。
また、一つの問題を修正すると、別の部分に新しい問題が発生することも珍しくありませんでした。
数式を直したらレイアウトが崩れる。
レイアウトを直したら別の場所がおかしくなる。
もちろん、プロンプトをさらに改善すれば解決できる問題もあります。
しかし、検証を重ねるほど、 プロンプトだけでは説明できない現象 が少しずつ増えてきました。
私はそこで初めて、こう考えるようになりました。
「問題はプロンプトだけではない」
AIに何を指示するかだけではなく、 AIの出力をどのように確認し、どの順番で修正し、最終的に教材へ仕上げていくのか。 教材制作全体の流れを見直す必要があると感じ始めたのです。
気づいたこと
ここまで検証を続けてきて、私が最終的にたどり着いた結論があります。それは、 数学的に言うと
プロンプトは "必要(重要)条件"だが "十分条件"ではない
ということです。
もちろん、良いプロンプトを作ることには大きな意味があります。 役割の与え方や出力形式を工夫すれば、AIの出力品質は確実に向上します。 実際、プロンプトの改善によって、以前より遥かに完成度の高い教材を作れるようになりました。
しかし、それだけでは品質は安定しません。
同じプロンプトでも問題によって結果が変わることがあり、AIには得意な問題もあれば苦手な問題もあります。 さらに、一つの修正が別のエラーを生むこともあります。 何なら、まったく同じ問題を入力しても、その度に出力結果や品質は微妙にぶれます。
これは、どれだけプロンプトを工夫しても完全には避けられませんでした。
そこで、考え方を 「AIに何を指示するか」 ではなく、 「AIをどう使うか」 という視点に切り替えました。
例えば、
- どの段階でAIに処理を任せるのか
- どこを人が確認するのか
- 図や数式は何を重点的にチェックするのか
- どの順番で修正すると品質が安定するのか
こうした流れをあらかじめ整理しておくことで、教材の品質は大きく安定するようになりました。
つまり、 教材制作は「プロンプトを入力して終わり」ではありません。 AIを活用しながら、適切な手順で確認・修正・品質管理を行うことで、初めて実用的な教材へ仕上がるということです。
私が最終的に気付いたのは、
教材制作は、プロンプト単体ではなく、
ワークフロー全体で考える必要がある
ということでした。
まとめ
今回の記事でお伝えしたかったのは、 「良いプロンプトを作ること」と「良い教材を安定して作ること」は、必ずしも同じではない ということです。
私自身、最初は「プロンプトを改善すれば、すべて解決できる」と考えていました。 実際、プロンプトを工夫することで教材の品質は大きく向上しましたし、その効果も実感しています。
しかし、検証を重ねる中で分かったのは、 本当に重要なのは、AIをどのように運用するか ということでした。
プロンプトは、あくまでも教材制作を支える一つの要素です。 品質を安定させるためには、 ワークフローや品質管理まで含めて設計すること が欠かせません。
今回の記事では考え方を中心に紹介しましたが、実際にはこの結論に至るまでに数多くの検証と改善を繰り返してきました。
その過程で作り上げた、
- 教材制作用プロンプト
- 実践的なワークフロー
- 品質管理のチェック方法
- 修正前後の比較事例
- 完成教材サンプル
などを、一つのマニュアルとしてnoteにまとめています。
AIを使って数学教材を作ってみたい方や、教材の品質をもっと安定させたいと考えている方は、ぜひ一度ご覧いただければ幸いです。
▼note記事
AI数学教材制作マニュアル~数学教材制作に特化したプロンプトと運用ノウハウ~
▼BASEショップ
【先行価格で販売中!】AI数学教材作成セット(こちらでも販売中)
