大樹くんと付き合っていることを、

クラスや部活の本当に仲の良い友達には、
自分から伝えることにした。


クラス内や学校内で‘両想い’のコって複数いたし、

私の仲の良い友達グループの中にも何人かいたから、

そーゆう友達は「良かったね!」って言ってくれた。


あんまり知られたくないグループももちろんあった。


私が優等生だから妬んでいるコ達。

私が優等生ぶっちゃうのも性格だし

そのコ達が悪ぶっちゃうのも性格だから

お互いにどーしようもないんだけど、

でも知られたら何を言われるかわからない。


そう思って気をつけていたのに…


 
あんまり知られたくない嫌味なグループの女子達には、
昼休みにいきなり
「東中の子が、‘大樹が一中に彼女作った’って言ってきたけど、
その彼女ってしずくのことでしょ?
東中の友達が、

どんな彼女か見たいから写真持ってきてって言ってきたよ。

大樹のこと好きだったのに、ショックだって言ってたよ。」と突然言われてしまった。


写真?


どんな彼女か、見てどうすんの?


で、なんであんた達は東中に友達がいるの?


あ、塾か…。


大樹くんが、渉に話したように

クラスで話しているところはカンタンに想像できた。


だって電話で「俺、野球部の奴に自慢する!」なんて言ってたから。


でもまさか私の中学校にまで広まると思わなかったよ。。。


そしてその大樹くんを好きな子に写真を見られて

私はどうなるんだろう????
 


てゆーか

学校内でモテてるみたいなのに

なんで1回会っただけの私に告白してきたんだろう…

…。


優越感と、ラッキー!と思う気持ちと、
あんまりいろんな人に知られたくない気持ちで心配になり、


廊下で渉と会った時に
「大樹って有名なの?
付き合ってヤバかったかな?」と聞いてみたら、
 
「年上の彼女と別れた時は狙ってた奴多かったみたいだよ。
そーゆうのは気にしないほうがいいよ」
と言われた。
 

渉って大人だけど、でもそれって、人ごとじゃん!!ガーン



心配で仕方なくて、そのことばっかり悩んで考えていた。

私、大樹くんの彼女になったんだな。


人生、ある日突然、なにが起きるかわからない。

大樹くんが、私の‘彼氏’なんだなぁ。

言葉ひとつで、会話ひとつで、もうそれは‘決まりごと’なんだ。



彼氏だからなんだとか、付き合うからどうだとか、

そんなことはよくわからない。

でも、‘一緒に何かをなしえる相手’が自分にできた。

それだけで、自分が特別に感じた。

15歳なんて、そんなもんだ。



…彼氏ができたから、漫画やドラマみたいなことがあるのかもしれない。
 
大樹くんが、私のファーストキスの相手になるのかな。
 
彼氏って言葉に、なんだかドキドキする。


そんなことばかり考えながら眠った。


 
次の日学校にいくと、

渉が私の顔を見るなり


「しーちゃん、付き合ったんだって?!

彼氏モチだね!なんか困ったことがあれば言えよ!」と言ってきた。


「俺、付き合うと思わなかったよ!

 しーちゃん真面目だから、絶対振ると思ってた。

 大樹から聞いてびっくりしたよ!」って。
 

絶対振ると思って紹介したのかよ。男友達って…。笑


渉には、昨日の夜、
大樹くんが嬉しそうな声で電話してきたらしい。



そんな大樹くんを想像して、またうれしくなったけど、

できればこの学校の友達には黙っててほしい、

そんな恥ずかしさでいっぱいになった。


それでもその時の自分は、にやけていた、と思う。



時間は、部活が終わり家に着いて
一段落した19時過ぎだった。
 
壁に張られた学校連絡網表の隅に書かれた
大樹くんの家の電話番号。


何度か見て、間違えないようにドキドキしながらゆっくり、押す。
 


2コールで、大樹が出た。
早!もう、ドキドキして嫌だ。 


私はゆっくり話す。
「もしもし。しずくだけど…」
 
『おー…。…。



…返事聞けるの?』



ちょっとの間が、永遠みたい。
それは、大樹くんも同じだろう。 


「うん。




…付き合っていいよ。」
 


いきなり伝えた私。

だって本題でしょ。

緊張しすぎて、なんていえばいいかも、

わからなかったよ。。。



『ま まじで?!』
 
『絶対ダメだと思ったー…!まじで?!』

大樹くんは電話の向こうで大声を出した。

耳が痛いって。


 
でも、そこまでうれしそうな大樹くんの声を聞いて、
私までなんだか嬉しくなった。
 


そこからは、どうでもいいことばかり話したから、何を話したか、よく覚えてない。


学校のことや渉のこと、
色々話して
また、ね。また話そうね。 
部活ない日は遊びにいこう。
 


…そんなことを言い合って、電話を切った。


付き合ったとか、彼氏とか、そんな実感なんて何もないまま

一日が終わった。