価値あるものと見なされるこの世の全ての楽しみと比べてみても魚とり
これに勝るものはなし』
『説教する人、物書く人、宣誓する人、戦う人。利益の為か、娯楽の為か、
いずれにしても最後の勝利者これ魚とり』
By トーマス・ダーフィー 「釣り人の歌」
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【視力】
深山幽谷の大イワナじゃ。
わしのことはまだ誰も釣り上げられない。
だから、もうかれこれ2000年生きておる。
(不死身じゃ・・笑)
ちょうど、日本という国が始まった頃にわしは生まれた。
だから、日本がどう歩んできたかがわしには分かる。
まあ、その辺は追々話すとして、
今宵は、わしがどうして長く生き延びられたかを話そう。
視力についてじゃ。
■視力
動くものを見極める「動体視力」
距離感を見極める「深視力」
一瞬で多くのものを見極める「瞬間視力」
加えて、
本質を見極める「洞察力」
全体を把握し見極める「全体把握力」
こういった能力を研ぎ澄ましてきたからこそ、
わしは生き延びてきたんじゃ。
釣り人のあんたも、
腕を上げるにはこういう能力を上げていくことだ。
目の良し悪しということではない。
感じる能力だ。
目に飛び込んでくる現実を判断しなければならない。
偽りなのか?本物なのか?
わしは偽りのものは瞬時に分かる。
だから毛ばりは所詮、子供だましでしかない。
そなたもいつか、わしを釣り上げたいか?
いいだろう。
しかし、そう簡単ではない。
そなたの視力とわしの視力、
どちらが優れているかの勝負じゃ。
過去に一度だけ、危うかった時がある。
気配もなく完璧な状態でその毛鉤は流れを下ってきた。
わしは浮上し、そいつに襲い掛かろうとした。
だが、最後の最後でかすかに右に揺れた。
直前で急転回して、わしは底深く逃げた。
そういう流れ方をしないからの、本物は。
危なかった。
視力に優れた上手い釣り人じゃった。
そなたも腕を上げたらわしに会いに来るがよい。
楽しみにしている。
その時まで、せいぜい修行を積むことじゃ。
わしはわしの能力を信じる。
そなたはそなたの能力を信じぬくことだ。
そうしなければ、我々は出会うことさえ出来ないのじゃ。
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