フロロサーフ 技術情報 -8ページ目

フロロサーフ 技術情報

撥水・撥油・耐酸・防汚・指紋付着防止・防湿・低摩擦などの機能を発揮するフッ素系コーティング剤【フロロサーフ】の最新技術情報を紹介いたします。 

前回 反射光低減コートには膜厚管理が大切! というお話をしました。

 

 

では、目標の膜厚からどの程度にバラツキを抑える必要があるのでしょうか。

 

まず、ベストな膜厚というのはどのくらいの膜厚なのでしょうか?

これは、最も反射光減させたい波長の1/4の厚さになります。

この時の厚さは「光学厚さ」と呼ばれる数字で、物理的な厚さに屈折率をかけたものです。

ですから、物理的な厚さを「d」、物質の屈折率「n」、波長を「λ」としますと、

nd=λ/4 という関係が成立する膜厚「d」がベストなのです。

d=λ/4*n ということですね。

 

では、最も反射光が少なくなるのをどの波長に設定したらいいのでしょうか?

赤い光? 緑の光? 青い光?

実は人間の目が一番感度がいいのは550nmあたりの波長(緑の光)なのです。

だから高速道路の看板は緑なんですよ。人は緑をいち早く感じることができるのです。

                   正確に言うと明るい場所と暗い場所では少し違います。

                   次の図を見てください。暗い時には少し短い波長の方にずれてますよね。

                   薄暗くなってくると赤い色が見え難くなったり、青い色が見えやすくなったり、

                   そんな経験はありませんか?

                   それは、これが原因なんです。

                   青い線が明るい場所での感度、赤い線が暗い場所での感度です。

                   
フロロサーフ 技術情報

 















 

今回の膜厚の管理のお話は、この人の目を考えた場合に絞ってお話します。

CCDで光を受けるような場合はまた違った考察をする必要があります。

 

 

ベスト膜厚    フロロサーフの屈折率を1.4とします。

           人の目の感度は550nmにピークがありますので d=98nm≒0.1μm となります。

           ベスト膜厚は0.1μmなんです。

 

50%薄い場合   ベスト膜厚から50%薄くなってしまった場合(膜厚0.05μm)の反射率は

            下のグラフの緑の線です。この時、人の目には

            反射光低減効果が半分になってしまった ように感じます。

            なお、黒い線はベスト状態です。膜厚が薄くなるにつれて、

            黒→赤→青→緑 と変化していきます。

            
フロロサーフ 技術情報-反射スペクトルベスト-70nm

 

50%厚い場合   ベスト膜厚から50%厚くなってしまった場合(膜厚0.15μm)の反射率は

            下のグラフの緑の線のようになります。この時、人の目には
フロロサーフ 技術情報-反射スペクトルベスト+70nm

            反射光低減効果が半分になってしまった ように感じます。

            同じように、黒→赤→青→緑 と変化します。

 

 

 

このように、人が 反射光低減効果が半分になったぞ! と感じる程度までを許容するとすると、

 

ベスト膜厚 ± 50%   (0.1μm ± 0.05μm)

 

に膜厚を管理する必要があるのです。

 

±0.05μmはかなり厳しい数字のようにも見えますが、ディップコーターなどを使えば、

十分に管理可能な膜厚バラツキといえるでしょう。

 

防湿性に優れたフロロサーフは防錆性にも優れています。

錆びが発生するには「酸素」と「水分」が必要です。

このうちの水分をシャットアウトすることで防錆効果が生まれます。

        酸素をシャットアウトするのは難しいですね。分子が小さいからです。

        「O2とH2Oじゃそんなに変わらないだろ?」とよく質問されますが、確かにその通りです。

        でも、酸素はO2単位で存在したがりますが、

        水分はH2Oがいくつか集まったクラスターで存在したがります。

        その結果水分の実際の大きさは結構大きなものになるのです。

 


フロロサーフ 技術情報-錆(釘)

この画像は釘にフロロサーフFG-3030Z-30を塗布し、5%食塩水を2時間間隔で480時間噴霧(30℃)した後の画像です。

どこに塗布されているかはわかりますよね。

 

このようにフロロサーフは、錆びから守る効果も高いのです。

しかも透明膜なので外観を損ねない、というのがポイントですよね。

 

 

 

前回は 「低屈折率のものをコーティングすれば反射光は低減できる」 と簡単に書きましたが、

 

 

光には 干渉 といういやらしい性質がありまして、

塗布した膜厚によっては、表面に虹がかかったように見えることがあります。

 

今回は、なぜこんな虹が見えてしまうのかというお話をします。


フロロサーフ 技術情報-反射スペクトル

このグラフはガラスの上にフロロサーフを塗布した場合の光の反射率(透過率)を計算した結果です。

横軸は光の波長です。

大雑把にですが、400nm台は青い光500nm台は緑の光600nm台は赤い光、そう思ってください。

 

反射率4.5%あたりに横一直線に黒い線があります。これはガラスだけの場合の反射率です。

波長によらず4%強の反射がみられます。

 

赤い線はフロロサーフを約0.1ミクロンの厚さで塗布した場合です。

反射率が2%程度まで低くなっているのがわかります。

これがフロロサーフの反射光低減効果です。

 

青い線はフロロサーフを1ミクロン塗布した場合です。

400nm、500nm、600nm台に山が見られますね。

よく反射する色の光と、あまり反射しない光の色があるということです。

これが  の正体です。

実はこの山は、光の入射角度を変えると、そのままの形状で左右にシフトします。

実際は光はさまざまな角度でガラスに入射してきますしので、

この膜厚になったガラスを見ると、虹がかかったように見えるのです。

ガラスを傾けると虹が動きます。

 

緑の線はフロロサーフを2ミクロン塗布した場合です。

山の間隔が狭くなりました。

こうなってきますと、人はそれぞれの山の光の色を見分けることができなくなるので、

虹は見えなくなります。

もっとも、どこまで見分けられるかは人によって違います。

人種によっても違うらしいですよ。

 

 

このように、反射光を低減するにはベストの膜厚があり、

それより厚くなると、ある厚さからは虹が発生し、

もっと厚くなるとその虹も見えなくなる、

となるのです。

 

ちなみに、虹が再び見えなくなるほどに厚く塗布した場合でも、

虹は見えませんが、反射光低減効果はベストとは言えません。

 

 

反射光低減コートを行う場合は、膜厚がとても大切なんですね。

 

 

次回は、ベストな膜厚からどれくらいならずれても大丈夫なのかについてお話します。

 

 

窓ガラスに映る自分の姿を見たことがあるのではないでしょうか。

透明なガラスなのに、なぜ、まるで鏡のように映ったりするのでしょう。


それは光の代表的な特性である

屈折率が変化する界面では、必ず一部の光が反射する

という性質によるものなのです。

空気からガラスの中に光が入っていこうとするときに、

その境界面で一部の光が反射しているのです。

(ちなみに、ガラスから空気に出る時も、同じように一部が反射します)


この反射光は、空気との屈折率の差が大きければ大きいほど多くなります。

空気からガラスに入る時、ガラスから空気に出る時、それぞれ4%強もの光が反射するんですよ。

どれだけ透明なガラスでも、光の透過率は90%ちょっとしかない、ということです。



この10%近くにも及ぶ反射光が製品の性能を下げてしまうことも少なくありません。

そこでこの反射光を何とかして少なくしよう、ということになります。

でもどうやったら・・・?


空気との屈折率の差が大きいほど反射光の割合が増えるのですから、

空気との境界面の屈折率を空気に近づけてあげればいいのです。

そこで、屈折率の低いフロロサーフの膜の出番だ! というわけです。


フロロサーフが作る膜の屈折率は1.35~1.4、ガラスの屈折率は1.52、空気は1.0 ですから、

ガラスの上にフロロサーフをコーティングすると、この反射光が低減できるのです。

ガラスだけの場合は片面で4%強も反射していた光が、

フロロサーフを塗布したら、なんと、2%にまで減るのです。


フロロサーフを塗布することで、反射光を半分にまで低減させることができるのですよ。

引き続きPFOS/PFOA に関する解説です。

 

今回は PFOS/PFOAの問題点についてです。

 

  PFOS/PFOAは 従来、安全な化合物とされてきました。

  ところが、最近になって、いくつかあたらしく判明してきたことがあります。

 

1.人体、鳥類、魚類、動物への蓄積。

人体における半減期は PFOS8.7年  PFOA4.3年といわれ、蓄積性が

あることがわかっております。

  

近年の分析機器の発達により、人体や地球上のあらゆる生物の血液中など

PFOS/PFOAが 極微量 (人体内 平均レベルで体重1kgあたり0.00002g 程度)

で存在することがわかってきました。

 

2.蓄積経路が不明

環境中でも各国の河川水や、中国では大気中からPFOSPFOAが極微量検出

されております。

これらの生体内のPFOS/PFOA蓄積や環境中への存在が、どのような経路で

起きているのかは、現段階では、はっきりとわかっておりません。

事実として判明しているのは

 *日本全国各地の河川で 0.000000001g/L 程度のPFOSPFOAが検出

   されます。

 *PTFE(4フッ化樹脂=(例) テフロンR) の製造工場近辺の河川の水から、

やや濃度の高い(0.00004~0.00006g/ L)のPFOAが検出されています。

   (PTFE製造時(乳化重合)にPFOAが乳化剤として使用される)

 *空港近辺の河川水からも、やや濃度の高いPFOS(0.0000005g/L) が見つ

   かっております。

(消化訓練のときの消化剤によるものと推測)

 

 

.毒性(慢性)が不明

  PFOS PFOAは慢性毒性として発がん性の疑いのある物質ではありますが、実際、どの程度の発がん性があるのかははっきりしておりません。

 

また、類似物質がたくさんありまして、それらについての毒性も良くわかっておりません。

 

現在の各国のPFOS/PFOA規制に対する動きは、

現実的に被害は出ていないものの、上記のようなの不明点がたくさんあり、

このまま放置すると、将来的に禍根を残す可能性もありますので、

予防処置的に拡散防止を行うというもののようです。

 

 

 

 

私どもでは特殊なフッ素系の樹脂を自社で合成して作成しております。

この樹脂をフッ素系溶剤に溶解してフロロサーフという商品にしております。

 

フロロサーフは一般的な分類では撥水撥油剤という分類に属しております。

 

最近の一部報道には PFOS や PFOA が、撥水撥油剤の成分である

というような短絡した誤報記事もしばしば見受けられます。

 

(マスコミ記者たちは専門家ではありませんので、致し方ない面もありますが)

 

 

弊社製品 と 弊社製品原料にはPFOS/PFOAは

使用されておりません。

最近お問い合わせの多い PFOS ・PFOAについての解説です。

 

(1) PFOS, PFOAって 何?

 

フッ素系化合物は大きく分けると無機系フッ素化合物と有機系フッ素化合物の

2つに分けられます。

 

無機フッ素は歯磨き粉への添加等で知られておりますが、それ以上に

私たちの身の回りにたくさん使用されているのが有機系フッ素化合物です。


フライパンやなべなどのこびりつき防止コーティング

繊維の撥水撥油・防水スプレー

家具に引き出しのすべりテープ

高性能潤滑油 など



 

有機系フッ素化合物は、非常に表面張力が低く、安定性が高くて酸や熱に

強いことが特徴です。

 

 

その性質を利用して、撥水撥油剤や付着防止剤、界面活性剤として利用

されてきました。

 

これらの有機化合物は、 高分子化合物と低分子化合物の2つに分けることが

できます。

 

 

 高分子化合物(ポリマー) → 撥水撥油剤、付着防止剤、フッ素コーティング剤

  

 低分子化合物 → 乳化剤、塗料やインキの濡れ性改善剤、農薬、フッ素系溶剤

 

高分子化合物の製品の膜成分は重合反応によって製造されます。

分子量が大きく、安定した物質ですので水や油にも不溶です。

そのため通常のプラスチックと同じように人体内に入り込むことができません。

=非常に安全な性質といえます。

 

低分子化合物の製品の乳化剤や、濡れ性改善剤は界面活性剤といわれる

もので、親水性や新油性を持っておりますので、水や油に溶解いたします。 

インキや塗料や液体の表面張力を下げる性能が非常に高く、

熱や酸にも耐性を持つので、さまざまな用途に多用されてきました。

 

 PFOS/PFOAは、このフッ素系界面活性剤として多用されてきました。

 本来は下記の炭素8個のフッ素化合物の事を指しておりました。

 
狭義のPFOS   C8F17SO3-  
    電解フッ素法という製法で製造されます。
     構造内にイオウ原子が存在することが特徴。           
 
狭義のPFOA   C7F15-COO      
     テロメリ法という製法で製造されます。 
     PTFE樹脂 (テフロン=デュポン社の商標)の製造時に乳化剤
     として使用。 
      
 
最近では炭素の数が異なるものや、この狭義のPFOS/PFOAに類似した
構造を持つフッ素系の低分子化合物をひっくるめてPFOS・PFOAと呼ぶ
ようになってきました。


つづく。

 

商品の詳細はこちら

絶縁用碍子のリークでお困りでがありませんか?

  

碍子表面にフッ素コーティングすることでリークを防止することができます。

  

リークの原因は碍子表面にできた水膜で起きるケースがほとんどです。


   

碍子表面にフッ素コーティングすることで、水膜が作成されなくなりますので

リークが発生しなくなります。


   

フッ素コーティング剤は安全かつ常温即乾燥で簡単にコーティングできますので、

現場での塗布作業が手軽に行えます。

   

   

(使用実例)

  

 

 JR九州 新幹線 パンタグラフの碍子部分に使用中。

   

 採用モデル : フロロサーフ FS-1020TH-2.0 

 塗布方法 : 刷毛塗り

   

 JR   

リュージュというオリンピック競技をご存知ですか?

   

小さな「ソリ」にのってボブスレーのような氷のコースを滑り降りてタイムを競う競技です。

  

http://torino.yahoo.co.jp/guide/event/luge/

     

http://www.joc.or.jp/sports/luge.html

      

      

日本チームが使用する「ソリ」の部分に弊社FG-5010シリーズが低摩擦コート材として

使用されることとなりました。!

   

ワックスよりも持続力のある低摩擦コートをすることでタイム短縮につなげる試みです。

       

皆さん、応援しましょう、ガンバレ ニッポン!


 

「 フッ素系コーティング剤(撥水剤)とシリコン系撥水剤の差は何ですか? 」

    

お客様からこのようなお問い合わせをしばしばいただきます。

   

大きな差としては、撥油性=防汚性の有無かと思います。

   

シリコンは表面張力が油成分と近いため、水はよくはじきますが、油はまったくはじくことができません。

  

フッ素は世の中の存在する固体表面では、最も表面張力のひくい物質になりますので、水は当然のこととして油もはじくことができます。

  

 で、実際にどのような局面で効果を発揮するかといえば、防汚効果が必要とされる場合圧倒的にフッ素のほうが優位に立ちます。 例を挙げますと・・・

 

  

 1.自動車のフロントウインドーの撥水: フッ素系撥水剤を使用しますと油膜が付きにくくなります。

                           また、油膜が付いたとしても拭き取りが簡単に行えます。

 

  

                            

 2. 繊維の撥水・防汚 : フッ素系撥水剤は油汚れの付着を防止できます。

                 繊維に付着する汚れの中で最もとりにくいのは油汚れではないでしょうか?

                 フッ素系撥水剤ではシリコンでは防げないこれらの汚れを付着しにくくすること 

                 ができます。

 

 

   

  

これら以外にもフッ素の優位点はあります。

 

 



 

 もうひとつ、フッ素系の撥水・撥油剤とシリコン系の撥水剤の大きな違いがあります。

   

シリコン系のコーティング剤やシーリング剤の場合、未硬化の低分子化合物が拡散して、周囲を汚染することがありますが、フッ素系のコーティング剤では低分子量の化合物の拡散汚染が起こりません。

    

フッ素系のーコーティング剤は、特殊なフッ素系樹脂 (高分子化合物)を フッ素系溶剤に溶解した形になっております。 

   

一般的に高分子化合物は安定な状態ですので勝手に周囲に拡散するようなことは起こりません。

   

半導体関連の用途やハードディスク、光関係の用途にはフッ素系撥水撥油剤は大きなアドバンテージを持ちます。

フッ素系の撥水撥油剤・フッ素コーティング剤はドライ潤滑剤のバインダーとしてよく使用されておりました。

  

          

ドライ潤滑とは乾性皮膜ですべり性を出すためのもので、カメラなどの光学機器やCD/DVDなどの光ディスクなど油汚れを嫌う用途でよく使用されております。

     

 ドライ潤滑剤の例  http://www.harves.co.jp/harves_files/hv_dry_main_j.html

   

     

ですが、バインダーとなる従来の撥水撥油剤は皮膜強度や密着性があまり高くないため、ごくごく軽い荷重の用途でしか使用されませんでした。

   

    

弊社製品 FG-5010は、素材表面と結合する特性を持っているため、密着強度が高く、中程度の荷重でも

はがれることがありません。

  

動摩擦係数は0.08とかなり低いので、このままドライ潤滑剤として使用していただけます。

また、透明な薄膜皮膜ですので、外観的にも塗ってあることがわからないくらいです。

素材の外観を損なうことがありません。

   

新たな低摩擦コーティング剤として新たな使用分野が期待できます。