前回は 「低屈折率のものをコーティングすれば反射光は低減できる」 と簡単に書きましたが、
光には 干渉 といういやらしい性質がありまして、
塗布した膜厚によっては、表面に虹がかかったように見えることがあります。
今回は、なぜこんな虹が見えてしまうのかというお話をします。
このグラフはガラスの上にフロロサーフを塗布した場合の光の反射率(透過率)を計算した結果です。
横軸は光の波長です。
大雑把にですが、400nm台は青い光、500nm台は緑の光、600nm台は赤い光、そう思ってください。
反射率4.5%あたりに横一直線に黒い線があります。これはガラスだけの場合の反射率です。
波長によらず4%強の反射がみられます。
赤い線はフロロサーフを約0.1ミクロンの厚さで塗布した場合です。
反射率が2%程度まで低くなっているのがわかります。
これがフロロサーフの反射光低減効果です。
青い線はフロロサーフを1ミクロン塗布した場合です。
400nm、500nm、600nm台に山が見られますね。
よく反射する色の光と、あまり反射しない光の色があるということです。
これが 虹 の正体です。
実はこの山は、光の入射角度を変えると、そのままの形状で左右にシフトします。
実際は光はさまざまな角度でガラスに入射してきますしので、
この膜厚になったガラスを見ると、虹がかかったように見えるのです。
ガラスを傾けると虹が動きます。
緑の線はフロロサーフを2ミクロン塗布した場合です。
山の間隔が狭くなりました。
こうなってきますと、人はそれぞれの山の光の色を見分けることができなくなるので、
虹は見えなくなります。
もっとも、どこまで見分けられるかは人によって違います。
人種によっても違うらしいですよ。
このように、反射光を低減するにはベストの膜厚があり、
それより厚くなると、ある厚さからは虹が発生し、
もっと厚くなるとその虹も見えなくなる、
となるのです。
ちなみに、虹が再び見えなくなるほどに厚く塗布した場合でも、
虹は見えませんが、反射光低減効果はベストとは言えません。
反射光低減コートを行う場合は、膜厚がとても大切なんですね。
次回は、ベストな膜厚からどれくらいならずれても大丈夫なのかについてお話します。

