2025年の年末。南カリフォルニアの砂漠地帯にある瞑想センター「ダンマ・ヴァッダナ(Dhamma Vaddhana)」の体験記。


私は数年前から毎日20〜30分の瞑想を習慣にしていたが、この合宿に向けて、毎日1時間の瞑想をした。1時間は確かに長いが、瞑想音楽を聴きながら続けていた。

 

他の参加者のブログを読むと「一度も瞑想したことがない」なんて人もいて、「なんて無謀なの! それに比べたら私は上級者よ!」と、自信を持って参加したのだが。ところが、いざ始まってみると現実は甘くない。


前にも書いた通り、頭の中の「おしゃべり」が猛烈な勢いで始まり、瞑想どころではない。30分も経つと座っているのが嫌になり、多動症の方の気持ちが痛いほどよく分かるほど。おまけに不眠と睡魔が重なり、つい目を開けては「みんなはどうしてるの?」とキョロキョロ周囲を伺う始末だった。

 

ヴィパッサナーの10日間コースでは、最初の3日半は「アーナパーナ(Anapana)」という準備段階の修行する。鼻の穴の入り口や鼻の下の小さな三角形のエリアに意識を集中させ、空気が通る感覚(温度や触感)をただ観察する手法だ。

 

これまでの私の瞑想は、意識的に「吸って、吐いて」と深呼吸をするスタイルだった。しかし、このアーナパーナで求められるのは「普段のままの呼吸」を見つめること。改めて観察してみると、私の呼吸は驚くほど浅く、「これで酸素足りてるの?」と心配になるほど微量だった。そして、この「静かな呼吸の観察」が、とにかく猛烈に眠いのだ。


夜は脳内ラジオのせいで眠れず、瞑想中は単調な呼吸の観察で意識が飛ぶ。まさに拷問。この最初の3日間で脱落者が多いというのも、心から納得できる。

 

私自身は一度も辞めたいとは思わなかったが、朝4時のドラの音を聞くたびに、もっと寝かせてくれ〜と心から思ってた。
(実は、4時半から5時半までホールで瞑想した後、部屋のベッドへ直行し、朝食の時間まで二度寝をしていたが)

 

ただ座り続けるだけなのに、不思議とストレスと疲労は溜まっていく。運動は禁止されているため、1周10分ほどの敷地内を日に何度も散歩した。体を動かしていないはずなのに、心はぐったり。最初の5、6日は、ただただ疲労困憊の状態が続いた。

 

そんな疲労困憊の日々の中で、唯一の癒やしが、センターを取り囲む圧倒的な大自然だ。敷地内からは360度、どこを見渡しても遮るもののない絶景が広がる。
刻一刻と表情を変える朝焼け、空を真っ赤に染め上げる夕日、そして夜になれば、空からこぼれ落ちそうな無数の星。その美しさは、言葉を失うほど見応えがある。

「もう一度、あの景色を見たい」砂漠の美しさ、自然の大きなエネルギー、不思議と安らぎを感じた。

 

(続く)