母親の病気が一日でも早く治るように祈る場合、ただ一つの方法は、

 

「母の名前を呼び、平和と調和、美しく、輝くような生命感に満たされた、完璧な母親の姿をイメージすることだ。

 

そのうえで、更に、医者や看護師など、母親を世話する人々が英知に溢れていると確信する事が大切だ。

 

母親だけでなく、母親の世話をしてくれる人々全てを、愛や真理、美で満たすのだ。

 

心がゆったりとくつろぎ、安心するまで母親に対する思いを願い続ける。

 

重要なのはその願いが必ず届けられると確信する事だ。

 

★★★

私は幼い頃から長い間、母のことが大嫌いだった。

結婚してから距離ができ、少しずつ普通に話せるようになったものの、私が感じていた激しい怒りや執着は、すべて母が原因だと思っていた。

母は私と考えが真逆で、飄々として掴みどころがなく、いつも私をイライラさせる存在だった。

 

母は長い間病気を患っており、この夏、私は2か月間仕事の都合をつけ、母の最期を実家で看取った。旅だった母の顔は、とても穏やかだった。

看病は、精神的にも肉体的にも全く負担ではなかった。

 

こんなに長い間、二人きりで過ごしたのはいつ以来だろうか。

ある時、ふと「やっと母が私だけの存在になった」と感じ、涙がこぼれた。

私はずっと、母を独り占めしたかったのだと、その瞬間に気づいた。