邦題:ゼイリブ

76点。

 

「ほわー、良いじゃん。こういうのでいいんだよ、こういうので!」

 

一見、陳腐にも思える異星人侵略ものだし、低予算のB級映画だけど、お金をたくさんかけたからってこんな映画を作れるの?って、私は問いたい。踊らにゃ損。

 

 

〜あらすじ〜

仕事を求めてある町に流れ着いたナダは、教会で奇妙なサングラスを発見する。

それを通して見えたのは、人間になりすましたエイリアンの姿。

そして至るところに隠された洗脳標識の数々だった。

ナダは擬態して人間を支配する存在に気づき、驚がくする。

(※Filmarks映画より抜粋)

 

 

以下、ネタバレ。って言うか、感想。

 

 

□レイ・ネルソンの1963年の短編小説〝朝の八時〟が原作だってさ。

実際のところ、もう一つの重要なインスピレーション元として、ビル・レイの1986年のその短編小説のコミック版「Nada」の存在があります。読んだことないけど。

当映画は今から36年も前の公開だけど、現代社会にも通ずる、鋭い風刺を含んでいて特に、消費主義やメディアの洗脳といったテーマが、現代においても上手いこと解決が出来ていないところだ。ごめんよ、ナダ。体を張ったのにね。

 

 

□とは言いつつも、だね。

 

 

↑8時間働き、8時間眠り、8時間遊ぶ。エイリアンの方がよっぽど優しいぞ。

 

#これがないと生きていけないもの」でも書きましたが、私はこの資本主義の形態を甘受して生きていますので、完全に否定出来るものでも無い。私たちに必要なことは、サングラスが無くても裏読みが出来ること。市場価格を把握して、適正な価格で必要なものを購入すること。ナダも劇中でルールに則ること、充分に解ってるしね。

端的に言えば〝毎日やってる閉店セールにひっかからないこと〟が肝要なのです。

 

 

□いやん、ゴリゴリ、男の世界!…汗の臭いでむせ返っちゃうよぉ!

なぜか一人だけ、上半身裸になって作業をするナダ。その姿を見て、もうひと頑張りしちゃうフランク。これはきっと恋の始まり!

つい、ウィキで調べちゃったけど、ナダを演じるロディ・パイパーはプロレスラー兼俳優だとのこと。ほほぅ、なるほどう…。良いじゃん。

 

 

ホリーが鮮やかに、ナダの頭を瓶でどついて、そのまま彼を高所から突き落とすんだけど、硝子をぶち破って落下、山を転がる。この辺はオーバーなんだけど、こういうの嫌いじゃない。ロディ・パイパーなら大丈夫なんじゃん?

 

 

□サングラスをかけるかけないだけで、何でここまでイチャついているのか。

時間にしては7分くらい。でも、正直、この映画の一番の見どころはここ。フランクはこいつ危ないやつだと思いながらも、ナダにお給料を届けてくれたりする。お互いに惹かれ合ってる。実際、フランクには妻子があって危ないことに付き合う必要は全く無いのだけど、この真剣にぶつかりあった結果が後の展開に掛かって、謎の説得力を持たせてる。良いじゃん、男の世界って。嫌いじゃないよ。

 

 

~総評~

ナダは一人を除いて、人間を殺してないんだな。そこら辺はナダのルール観だよね。健全とまでは言わないけども。だけど、このチープ感だったり、やもすると、物語が成り立たないような突っ込みどころって、本来ならマイナス要素でしかないところが

当映画の場合は良いところに転じているから、素直に笑わせてくれるんだよ。

 

 

 

カルト的人気を誇るB級SF映画って評価が、ぴったりで素晴らしい。

 
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