邦題:カンフーハッスル

71点。

 

「サッカーはもうやめた!」…けど続編じゃありません。

 

たまーに思い出したかの様に前作の「少林サッカー」とセットで見たくなっちゃう周星馳の功夫コメディ。他映画のパロディやオマージュが満載で、監督の映画と功夫愛が溢れまくってこっちは溺れそうだよ!

「あなたにはクンフーが…足りてるわ!」

 

一つ前のレビューが考えさせられる映画でしたので、頭空っぽの方が夢を詰め込めるこの映画を。

 

 

以下、ネタバレ。って言うか、感想。

 

 

 

 ↑Do it! Do the Hustle!

 

 
それにつけても、中華圏の虐めは品が無い。
 
 

□当映画の象徴は豚小屋砦と住民たち。

お互いに通じないはずの北京語と広東語が飛び交い、画面も目に五月蠅い程には混沌としているのに、成り立たせているんですね。

 

ハリウッドだから日本人の俳優は英語を喋らないといけないとか、ネイティブな発音は出来ないし、演技面では感情が乗せにくいマイナス要素じゃないですか。映画って字幕か吹き替えなら視聴者に伝えられるので、ステレオタイプなんかを撲滅出来るしこの考え方って延いては、世界平和に繋がるものじゃないです??

 

 

□パクリ?その対象に敬意を感じさせるならオマージュ。愛を感じるならパロディ。

斧頭会の豚小屋砦の襲撃に対する十二路譚腿の達人の大立ち回りは「マトリックス」を彷彿とさせるし、獅子咆哮功の達人の小龍女(大家さん)がブルース・リーの鼻先を親指で擦る仕草をするとか、功夫服なんてそのまんまだし。

 

五郎八卦棍の達人の今際の際には一挙にふたつ。

 

「大いなる力には(大いなる)責任が伴う(noblesse oblige)」は

「スパイダーマン」のベンおじさんがピーターに諭した台詞。続けて

「What are you prepared to do?」 は「アンタッチャブル」マローンの今際の際の台詞だけど、英語だから(日本語だと)解んない。達人、マニアだったんですね。

 

火雲邪神が幽閉されている部屋の前でシンが見た血の洪水は「シャイニング」の有名シーン。まだまだありそうですね。

 

 

□エンターテインメントを熟知する監督の手腕。

瀕死のシンが血で書いたのは飴の絵なので、字で書かないと解んない。オマージュに被せる伏線って上手過ぎる。クスッと笑わせてくれる小ネタが満載です。

 

ですが、当映画が圧倒的に楽しいのは前半。"ドラゴンボール" は幼少期が楽しくて、フリーザ以降はもうお腹いっぱい。シンは火雲邪神との最後の戦いで超格好付けてるけどさ、元を正せば全て彼の仕業だったりしますよ。こらこら。

 

 

終わり良ければ総て良し。とは良く言ったもので、ラストシーンがかなり好き。多くを語らないと言うか、喋れなくとも喋らなくとも、子供の頃に戻ってとびきりの笑顔を見せれば良いんです。

 

 

頭を空っぽにして楽しむ映画の代表格ですね。

 
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