58点。
 

バンッ!バンッ!ずっきゅん!

CGはクオリティが超高くて、俳優陣も良くて、特に木梨憲武が良い味を出していて。

在庫のスポドリが役に立ったのがプラス要素です。

原作ではひ弱なお爺さん。描き出しは当映画よりもよっぽど悲哀に満ち溢れていますけど、大衆向けにマイルドにしたと思われますし、大筋は変わっていません。

私、原作の漫画は全単行本10巻とSP1巻を読破済です。大きく違うのはラストです。

ストーリー重視派としてはこれの是非となります。

 

 

以下、ネタバレ。って言うか、感想。

 

 
同作者「GANTZ」の場合はオーバーテクノロジーによる肉体のコピー、当映画は兵器ユニットに人格のインストール。つまり、両方とも亡くなっています。その点は原作でも早々にネタバレしているので、字幕とかで良いから宇宙人のやり取りを描いて、何故機械になったかを明確にした方が良かったかも。それ自体に重要な意味は無い様に思えても、本人達が結果的に自分の存在意義をどう定義するかは自由だし、それが生きる、ひいては人生と言うテーマに掛かってくるものと考えます。
 
あんまり大事じゃないからこそ描いて欲しいポイントってありませんか?
 
細かいとこが気になるんです。原作ではローンを嫌って、定年間際まで必死で貯めたお金でのマイホーム購入でご立派な(それなのに家族は冷たい)ものですが、映画ではローンです。ローンが悪いとかでは無いですけど、歳を考えたら何時まで働ける、働くつもりなのかとか。何故そこを態々変える必要があったんでしょう?
 
健康診断ではガンが見つかり難いのは間違い無いけど、要検査レベルからの自覚症状無しでステージ4のガンとか。原作は年齢以上に老けてしまっているし、腰が痛い描写とか、いつもプルプルしている事も手伝ってある意味、納得出来るんですが。
 
他にも、首を絞められたら言葉なんか出せないし、あれだけ長い事持ち上げられたら人間は普通に死ねますけど、きっと監督も試した事無いでしょうし、そこは仕方無いのかな。子供向けだとしても、助けられない人も容赦無く描いているのにね。
 
原作は打ち切りなの?と思えるアルマゲドンエンドですが、綺麗に完結しています。
もとより、過ぎたる力は例え英雄であったとて、平和になれば疎まれるものです。
 

 
↑画像はあくまでそういった先人達のイメージです。
 
 
鉄腕アトムの歌は欲しかったです。だって、原作最大のネタバレはアトムですから。
ハナコの出番もばっさり無くなっていましたね。作者が犬好きなので、映画でも補完してあげたら良かったのに。
 
エンドは「友達だろ」とは正気の沙汰じゃないです。原作に比べたら軽い。
そりゃ作り物でエンタメでしょうけど。
原作は友達だから彼を止めたかったし、だからこそ彼に「友達じゃない」と言った訳で。獅子神が死んだ時に彼の為に泣いてくれる存在だった訳で。