51点。

 

CGはクオリティが高くて、俳優陣も悪く無くて、多恵ちゃんが可愛いのがプラス要素です。

 

私、原作の漫画は全単行本37巻を読破済です。本映画は1〜8巻の内容に相当します。

原作は終始、愛がテーマにあったと思いますので、映画化の際に大幅に削られて薄っぺらくなったのは非常に残念でした。

全巻読まなければ全く意味不明だと思いますので、原作のネタバレも若干しつつつらつらと書いて行きます。

 

冒頭、加藤が線路に落ちた病人?をホームに担ぎ上げてから、上では成人男性A一人が手伝い病人?は助かり、加藤を引き上げようと玄野が手を掴んだ際、勢い余って玄野も落下、直後に死亡すると流れになっています。加藤も慌てずのんびり救護活動していましたから。

原作では線路に落ちるのは酔っ払い。加藤と玄野の二人でホームに担ぎ上げ、上では成人男性A一人が手伝い酔っ払いは助かり、二人は自力でホームに上がれそうになく、加藤の提案で前方に走り出したけども、隙間も見つからず通過電車だったので死亡。

と言う流れになっています。

 

一見、似た様なものですが、映画はどうしようもないのに比べて、原作の方は周囲の人が手伝ってくれれば全員助かったと思われる描写です。

加えて、助けられた事すら気付かずに、その場を去ろうとする酔っ払いを中年男性Bが引き留めて、涙ながら吐きながら

「貴方を助ける為に二人の高校生が死んだ」事を伝えるので、動かなかった人間なのに偽善とも言える様な描写もあります。

GANTZはそのプロットの性質上、人が沢山死にます。何なら主人公も死にます。轢死から始まるプロローグを只の事故死で済ますのでは無くて、色んな視点を描写する事で、その後に続くプロットに死についての広い考えが掛かって行きます。

 

つまり、何が言いたいか。オープニングは出来得る限り丁寧に撮るべきであり、絶対に端折るポイントでは無いです。

 

劇中では全く描かれませんが、GANTZとは一部権力者によって各地に配備され、デスゲームの様相を富豪達が賭けの対象としている下衆いシステムです。

ターゲットは滅びた他の惑星系から地球に移住して来た宇宙人たち。当映画では

ネギ星人親子、田中星人及び幼体、おこりんぼう星人、あばれんぼう星人、大仏星人となります。原作では上記星人は地球人に危害を加えずに(あくまでその時点では、ですが)ひっそりと暮らしていたのを、GANTZメンバーに攻撃されての争いとなっています。映画では田中星人が先制していますので、その辺の事情は不要だと判断したんですね。残念です。

 

映倫区分PG12なので、岸本登場は原作通りに出来っこないのは解りますが、それならいっそ服着せた方が良かったんじゃないのかな。これ目当ての人居たの?

 

その岸本や加藤の死亡シーンを長めに撮るのは良いとして、その間、千手観音は攻撃せずに待ってくれるご都合主義が酷いです。満身創痍で立ち上がるのに時間がかかっても待ってくれます。岸本が死ぬ間際に加藤にキスしようとしますが(原作ではゲイと貞子の役です。)果たせずに息絶えます。それもじっくり待ってくれます

 

えっと、命(タマ)の奪り合いしてるんじゃなかったんですか。

 

監督が洗い物をした事が無いとか、小島が玄野にアプローチする過程が唐突だったりとか(原作は逆と言うか…。)色々細かい事はあるんですけど、何よりも、ここで皆悲しんで!みたいなんが明け透けでストレスでした。悲しいです。

 

 続編は「GANTZ: PERFECT ANSWER」です。