邦題:ALONE/アローン

49点。

 

~あらすじ~

射撃の名手である若きアメリカ軍兵士マイク。砂漠でのテロリスト暗殺の任務に失敗した彼は退却を余儀なくされる。徒歩での移動中、3000万個以上の地雷が埋められた危険地帯に迷い込み、マイクの目の前で相棒が爆死してしまう。さらに自らも地雷を踏み……。

(※映画ナタリーより抜粋)

 

 

地雷を踏んだその場から足を動かせない、ワンシチュエーション物のサイコロジカルスリラー。アーミー・ハマーが極限状態で汚れて行くのを愛でる映画。

戦争である以上は多少グロテスク、流血は仕方無いです。ホラーじゃ無いのでそんなシーンあったっけみたいな薄い印象ですが。

DV、幼児虐待のシーンが少しだけあります。ご注意下さいね。

 

 

以下、ネタバレ。って言うか、文句。

 

 

なぜ、原題の「地雷」からわざわざ変えたのか、配給会社のセンスを疑います。

砂漠の真ん中に居るのにちょくちょく会いに来てくれるベルベル人が居たり、主人公が帰って来るのを待っている恋人も居るんですよ。上手く行ってないのかもしれないけど。

タイトルの意味合いが内容に掛かってないとか大嫌いです。なので、私は原題で表記するようにしています。

 

ワンシチュエーション物は好きな方ですが、会議室の中だけの映画や、電話ボックスから出られない映画とかと比べちゃうとプロットが弱いんです。しかも、本映画より遥か昔の映画ですよ。加えて、動けない状況に陥るまで開始から20分と5秒かかっています。長くないですか?間延び感が凄いです。

二人でジャンプして坂を転がるシーンに至っては正直、何を見せられているんだろうと思いました。ファイト一発ですかね。

 

ツイスターゲームをやった事がある人って今日日は少ないでしょうが、アレって凄くしんどいんです。体の一部を付けた状態でバッグを取ってみたり、体を捻るのは拷問に近いんですよ。私の体力が無いのは認めますけど。

劇中ではアグレッシブに動いていますよね、軍人なら何でもいけるんですか。

 

ベルベル人はマグリブ地方なのでここはサハラ砂漠だと仮定すると、気温が日中は40℃近辺まで上昇して夜間は氷点下にもなります。この寒暖差でツイスターゲームをしながら、69時間を耐えるなんて不可能だと思いますけど、軍人なら何でもいけるんですか。

 

そも、実際の兵器である地雷は踏んだら即爆発するので、漫画やこの映画のようには行かないと思うんですが、そこは作り物だから黙ってないといけない感じかしらん。

日本でも地雷を踏むと言う言葉がありますが、踏んでからではもう既に遅くて、猶予は無いって意味合いですよね。運良く作動しなかった地雷だったと仮定したら、この状態から全く動かせないですよね。呑気に荷物チェックとか恐ろしくて出来ないですよね。軍人なら解っていますものね。

 

と、自分でも嫌になるくらいこの映画に対する文句が出て来てしまって、なぜ素直に楽しめないのかなと自己嫌悪に陥る。

私もマイクも限界を迎えた残り30分強、52時間後の無線のシーンから奇跡が起きた。

 

最後を迎えるかもしれない軍人の大事な人との連絡の機会。軍人ならではの心遣い、尊厳の尊重ですね。見捨てている訳ではありませんでした。

勇気付けてくれる相棒(故人)。倒れたマイクを支えてくれるベルベル人。

ベタですが、人は支え合うのです。

女の子の幽霊或いは幻の存在。ブリキの中身。全ての伏線が回収されていく瞬間。

泣けますね。

幼少期のトラウマから冷たく当たってしまった恋人。その原因である父親との抱擁。許し許される事でトラウマは解消され、ようやっと一歩前に進む事が出来ました。

 

ラストシーン、奇しくも同じポーズです。マイクはとってもラッキーマンなので結果はハッピーエンドでしょう。

 

 

アレだ、怪しいお薬があれば何でも出来るんですね!(違う。)

 
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