努力は、やはり必要だろうか。


時代が変わり、努力の形も少し変わってきた気がする。

便利なツールが増え、以前なら多くの時間をかけていたことも、簡単に手に入れられる時代になった。



昨日、娘が話したことが、ずっと胸に残っている。



「全国大会の後、何であんなに頑張れたんだろう。自分でもびっくりする。
部活をして一番よかったことは、努力の大切さを学んだことかな。大体のことは努力でどうにかなるね。」



この言葉だけを聞くと、「努力さえすれば何でも叶う」という意味に聞こえるかもしれない。

もちろん、人には持って生まれた才能や、環境、運もある。

でも、努力することで、自分の中で変えられることは、思っている以上に多いのかもしれない。


娘の言葉を聞いて、私はそう感じた。



そして今日、娘はインターハイ出場のため、和歌山県へ向かった。



インターハイ出場。



その切符を掴むまでの道のりは、ただ技を競うだけの戦いではなかった。

他校の選手だけでなく、校内での熾烈な競争も乗り越えなければならなかった。

身近な場所での戦いも、娘にとって大きな試練だった。

キャプテンを務めていた娘は、全体の取りまとめ、一年生の指導、そして自分自身の練習と、常に多くの責任を背負っていた。

さらに、学業面でのプレッシャーも重なり、限られた時間の中で、部活動と勉強の両方に向き合っていた。

代わってやれないもどかしさを感じる日々だった。




インターハイの切符を掴み、三年生唯一の現役となった娘は、キャプテンの座からも退いた。

立場が変わり、急な役割の変更に、彼女の心は揺れていた。



子どもたちが小さい頃から、私は常々、

「努力の勝る能力なし」

と言い続けてきた。

昨日、娘の口から出た言葉を聞き、自分の想いがしっかりと届いていたのだと、一人でそっと微笑んだ。



結果として彼女が掴んだものは、インターハイの切符や、目に見える結果だけではない。

「努力することで、自分は変われる」

その確かな実感こそが、娘がこの数ヶ月で手に入れた一番大きな宝物なのかもしれない。



結果がどうであれ、私は娘の努力と気づきに、心から優秀賞をあげたいと思う。





夕暮れの海辺に置かれたベンチ。青みがかった空の下、近くに貝殻が残る静かな風景。


この場所が、あなたにとって小さなベンチになりますように。


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