冴えない彼女の育てかた Fine
監督:柴田彰久
概要
丸戸史明(原作)と深崎暮人(イラスト)のライトノベルシリーズを原作にしたアニメの劇場版。主人公が運命を感じた美少女をヒロインにした同人ゲームの制作に挑む。監督はアニメ「毎日かあさん」「PERSONA5 the Animation」などに携ってきた柴田彰久。ボイスキャストは安芸倫也役の松岡禎丞をはじめ、安野希世乃、大西沙織、茅野愛衣らアニメシリーズの面々が続投した。(シネマトゥデイより)
感想
我々は作り手であり、また同時に受け手でもある。「二次元文化」の駆動力は、そうした自給自足の構造によって生まれている。
…ということを、『冴えカノ』はよく示している。
主人公の安芸くんは最強のヲタであり、かがるが故に、最強のクリエイターを見出し、また自らもクリエイターとなる資質を秘めた人物だ。クリエイティブなものは、むしろオタクの中にこそ潜んでいる。これは作者である丸戸氏の作家観でもあるのだろう。「冴えカノ」二期はとくに作家論の傾向が強かった。
そして、ゲーム制作と作品世界の現実がパラレルに進行していく「冴えない彼女の育て方」は、また同時にクリエイター=ヲタの現実を描いた作品でもあった(そこにどれだけリアリティがあるかは別として)。
劇場版では、今までどういう奴かいまいち掴めなかった「冴えない彼女」の心境がメインになりつつも、単に「記号」として消費されかねない「金髪ツインテールの幼馴染」や、「黒髪ロングの先輩」の内面をきちんと描こうとしているところに作者の誠実さを感じた。
劇場版を単体で評価することは難しいけれど、とりあえずファンなら満足する出来。
僕はちと別のことを考えていた。(つづく)
☆☆☆☆★(4.5)
劇場版「冴えない彼女の育てかた Fine」本予告 |2019年10月26日(土)公開