「クリスチャン・ボルタンスキー – Lifetime展」(国立新美術館)
ボルタンスキの作る空間は、どこか礼拝堂かあるいはカタコンベのようだ。いつしか礼拝機能を失いホワイトキューブの中へと閉じ込められた美術に、再び宗教的な手触りを与えている。
壁一面に貼られたピンボケの白黒写真はリヒターの描く「写真」を思い起こさせる。あるいは、バルトが「明るい部屋」で最後にたどり着いた母の姿か。
会場の静謐さとは不釣り合いのネオンライト。そのアンバランスさは、『千と千尋』のようかも知れない。悪趣味さがかえって宗教っぽい手触りを与えている。

