劇場版シティーハンター 〈新宿プライベート・アイズ〉
概要
裏社会屈指の始末屋と相棒たちの活躍を描いた北条司のコミックを原作に、アニメ化、実写映画化もされた「シティーハンター」の劇場版。神谷明、伊倉一恵をはじめオリジナルキャストが再結集し、現代の新宿を舞台に新たな戦いが繰り広げられる。新たに山寺宏一と大塚芳忠が加わり、女優・飯豊まりえとチュートリアルの徳井義実がゲスト声優として参加する。(シネマトゥデイより)
感想
冒頭、新宿の街並みに不似合いなロケットランチャー。これ、失敗したかもな…と直感する。別にロケットランチャーを出すのは構わないけれど、それ以前に、2019年の新宿にいかにリアリティを持たせられるかがこの作品の勝負どころだった筈だ。スマホを出しドローンを飛ばせば現代の新宿になるかって、そうはならない。空気感や生活感がちゃんと描かれないと、遼が生き、彼が守ろうとする新宿にはならない。
同様に、「Get Wild」を(EDで)流して、往年のキャストを集めれば「シティハンター」になるかって、そりゃあならない。往年のキャストでやると聞いた時は、僕も「やった!」と思った。けれど、それは間違いだった。30年前と変わらぬキャラクターデザイン、それなのに声に張りが感じられない。
子供のころ、僕の憧れだった野上冴子も見る影(聞く影?)もない。年を食うことは別に否定しない。実際、この声優さんが演じた「若おかみは小学生!」のお祖母さん役は素晴らしかった。ただ、年齢相応の声というのはやはりある。30年(特別編を含めると20年)の断絶は違和感を増幅させる。
何より酷いのは脚本だ。焦点がブレブレの上に、必然性がどこにもない。東京を舞台にした戦争ものとしては、『機動警察パトレイバー2』という傑作がある。もちろん、「シティハンター」は「パトレイバー」とは違う。でもさ、こんな野心のない作品を作るくらいなら、もっと色々とやりようはあったんじゃないの?
原作リスペクトなのか、ところどころ原作で見た場面が登場する。けれど、そんなもの嬉しくはない。もともとの文脈から切り離されているから唐突感がある。まるで原作のパッチワークだ。2019年にこんな継ぎ接ぎだらけのものを作る意味って何?
☆☆★(2.5)