「歌唱力No.1決定戦」決勝 | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)


「歌唱力No.1決定戦」

 決勝。ABCDの4つのグループに分かれて審査が行われる。サッカーW杯のように、まずグループステージで各グループ5人→2人に絞られるという形だ。4グループで計8名がファイナルに進出する。

 先日行われた組分け発表で僕はのけぞってしまった。予選の段階で気に入っていたHKT豊永阿紀ちゃんとAKBはっつ(歌田初夏)の二人が、こともあろうに同じグループに入ってしまったのだ。

 さらに、そこにのじのじ(野島樺乃)まで入ってきてしまう。SKEを離れたとは言え、個々のメンバーに対してはまだそれなりに想い入れもある。のじのじのことは今でも気にしているし(この前のSRでは初っ端いきなり壇上に上がってしまったし)、その歌唱力を評価もしていた。

 しかも、予選2位通過で、一部では本命視する声もあったAKB立仙ちゃん(立仙愛理)までもが同グループ。いわゆるひとつの「死のグループ」ってヤツだ。このグループは当日の歌唱順では最後だった。

1.グループステージ
 最初のグループは、NMB山崎亜美瑠ちゃんとHKT坂本愛玲菜ちゃんが突破。どこか気の強そうな、不敵な笑みが印象的だった山崎ちゃんは、もしかすると優勝候補かも知れないと思わせるような芯の強さを感じさせた。一方の坂本ちゃんは、やや「置きに行った」ような印象。それでもやはり実力的には抜けている。

 次のグループで突破したのは、力強い歌声が印象的だったSTU矢野帆夏ちゃんと、曲に入り込み、独特の世界観を作り上げていたAKBよこゆい(横山結衣)。よこゆいは特にインタビュー時とのギャップが激しく、会場を沸かせていた。グループステージのパフォーマンスでは、よこゆいはかなり上位だったように思う。

 3つ目のグループでは小さな波乱が起きた。大本命のAKB/STUなぁちゃん(岡田奈々)が2位通過。そして、AKB次世代エースの呼声高いもえか(矢作萌夏)が首位通過を果たしたのだ。

 なぁちゃんは、会場全てを巻き込んでしまうようなロックテイストのパフォーマンスで、「歌唱力」とか何とか言うよりも、良い意味で一人だけ別の競技をしているような、そんな印象があった。一方のもえかは、真っ直ぐに歌を届けようとしていた。良くも悪くもクセの強いメンバーが多かったこの日の決勝、もえかのそんなストレートなパフォーマンスは、かえって彼女の個性を強く印象付けた。

 そして、問題の「死のグループ」が登場する。最初に歌うのは、HKT豊永ちゃん。ああ…やっぱり僕は彼女の歌好きだなあって。なんだろう、声質なのかな。それとも、歌う姿勢の真摯さとか、そういうもっと別の何かなのかな。いずれにせよ、彼女の歌は僕の胸にスッ…と滲み込んでくる。他の人に対しては「上手い」と思うのだけれど、豊永ちゃんの歌に対しては「好きだ」という感情が前に来る。ん…ファイナルに残って欲しいな。

 2番手、のじのじ。いきなりミュージカル。しかもレベルが高い。伸びのある歌声で、曲の世界観に一気に引きずり込む。明らかに審査員の目の輝きが違う(ミュージカル好きの審査員だってこともあるけれど)。これ、のじのじは残りそうだな…。そうすると、あと一枠。その一枠を豊永ちゃんとはっつ、立仙ちゃん、そしてSKEすずらん(山内鈴蘭)が争う展開。

 僕が「このグループ、レベル高い…」と呟いたのは、まさにこの瞬間だ。

 3番手、はっつ。僕の好きなはっつ。80年代アイドルの雰囲気を身にまとい、歌うは『センチメンタル・ジャーニー』(松本伊代)。ああ…でもダメだ。前に歌ったのじのじのパフォーマンスが圧倒的過ぎて、「イロモノ」に見えてしまう。もちろん、100%本気でやっているのは分かるし、こういう世界観を作るという戦術なのも分かる。見ていて面白く/楽しくもあった。でも、これはたぶん…歌唱順が悪すぎだ。

 4番手すずらん。相変わらずクセの強い歌い方。これがどうでるか…。歌唱後の同期みなるん(大場美奈)とのやり取りのほうがむしろ僕的には印象が強かった。

 ラスト立仙ちゃん。数日前に風邪を引いたらしい彼女。この日も青白い顔で登場。喉も開いていないし、明らかに100%のコンディションではない。それでも、それを乗り越えようとする「意志」は感じられた。

 結果、残ったのは、のじのじと…すずらんだった。この結果は僕にはやや意外だった。僕としては、のじのじ一位、二位は豊永/立仙の争いで豊永若干有利だと感じていた。他の組では、僕自身も上位だと思った二人が通過していたのに、この組ではそうではなかった。ただ、そこに贔屓目があるのは否定できない。

 立仙ちゃんの風邪はともかく、チーム8勢は(TDCでのコンサート準備とぶつかった)スケジュールの問題でやや可哀想な面があったように思う。はっつの『センチメンタル・ジャーニー』はたしかに「イロモノ」に感じられたんだけれど、彼女にもう少し時間があって、もっとちゃんと世界観を作り込んでこられたなら、また印象は違ったかも知れない。

 よこゆいにしても、グループステージこそ彼女の「才気」でどうにかなったものの、ファイナルステージでは、やっぱり世界観の作り込みが甘かったように見えた。もともとファイナルに残ると思ってなかったらしいから、スケジュールの問題もあって、2曲目にはそこまで時間をかけられなかったのかもな、と。

 ある時にはメンバーがすごい暇そうにしていて、また別のある時にはもう明らかに時間が足りていない。こういうスケジュールの問題をもう少しどうにか出来んのか、といつも思う。ひとつひとつの「戦」を勝ちに行くには、それなりに準備時間が必要だ。まあ、今のAKSに言いたいことはもっと他にあるんだけれどね!!!

(あと、これはTBSの問題だろうけれど、秋吉ちゃんの音声トラブルは可哀想すぎた。あれ、もう一回歌わせてあげるべきでしょ。時間の都合があるのは分かるけれどさ。平等な条件で出来ないで、どうしてコンテストと言えるんだと)

2.ファイナルステージ
 それはともかく。こうしてファイナルに残ったのは、山崎/坂本/矢野/横山/矢作/岡田/野島/山内の八人。正直な話、この八人のパフォーマンスで比べる限り、ファイナルはむしろグループステージよりレベルが低かった。少なくとも僕にはそう思えた。

 最初に歌った坂本ちゃん。選曲がいまいち…というか、彼女はもっと勝負していいと僕には思えた。せっかく実力があるのに、なんでそう「置きに行く」ような選曲ばかりするのだろう。もったいない。ただ、この決勝を通じて、彼女の立ち振舞は終始、好印象だった。

 二番手、山崎ちゃんは安定していたし、力強さも感じさせた。ここまでの段階での優勝候補は彼女だ。と言っても、まだ二人だけれど(←)。審査員の井上ヨシマサさんの発言に軽くムッとしていたのも、気が強そうで面白かった。

 三番手よこゆいは、さっきも言ったように、世界観の作り込みが甘かった。坂本ちゃんのときにも感じたことだけれど、「親が好きな曲」だと、やはり気持ちの入り方が違うように思う。どうしても伝えたい/表現したいという「何か」がないと、ファイナルで勝つのは難しい。僕はよこゆいのパフォーマンス好きなんだけれどね。

 四番手矢野ちゃんは、それなりに良かった印象だけれど、そこまで飛び抜けた「何か」はやはり感じられなかった。

 五番手、大本命なぁちゃん。う~ん…たしかにファイナルのほうが歌唱力審査っぽい選曲ではあったけれど、僕的にはむしろ、型破りだったグループステージの方が面白かった。パフォーマンスそのものも、もちろん全然悪くはないし、実力も感じられたのだけれど、ここまでの段階で図抜けてはいない感じ。

 そして、六番手もえか。彼女の場合は明らかにコンセプトがしっかりあった。同期への想いを込めて歌う『瞳』。そういう「メッセージ性」に、選曲も歌唱法も――まっすぐに前を見つめる目も含めて――すべてを預けていた。とてもクリアなパフォーマンスだった。

 七番手すずらん。やっぱりクセが強い。面白いとは思うんだけれど、まあ優勝候補ではないかなあ…。

 ここまで7人。なぁちゃん、もえか、山崎ちゃん辺りが上位争いだとは思うけれど、図抜けたパフォーマンスをした子はいない。だから僕は思ったんだ。風が吹いている。

のじのじチャンス!

…と。

 そしてラスト、のじのじ。

 序盤から圧倒するようなパフォーマンスでは正直なかった。ただ、後半、曲が盛り上がるに連れて、彼女の歌声も凄みを増していく。これはどうなんだ。3人の上に出たのかどうか…。僕はまだ自信が持てなかった。

3.審査結果
 審査結果が出る。3位なぁちゃん(岡田奈々)、2位もえか(矢作萌夏)

 なぁちゃんは、3位ということに、むしろホッとしたようだった。自分の出来にも納得出来ていなかったようだったし、そういうところをちゃんと「評価」してくれたのが嬉しかったみたいだった。彼女のそういう姿勢は、見ていて清々しかった。

 1位…のじのじ(野島樺乃)

 思うに、のじのじはグループステージの圧倒的なパフォーマンスで審査員の心を掴んだんだと思う。ファイナル+グループステージの総合で優勝を掴んだような、そんな感じ。インタビュー時、まだ実感が湧かないのかキョトーンとしていた彼女が、「オリジナルソロ曲」という話を思い出した瞬間、目をキラキラと輝かせたのが印象的だった。のじのじは自らの力で、ようやく「チャンスの順番」を引き寄せた。

 おめでとう。かのちゃん。