未来のミライ(4.5) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
未来のミライ
監督:細田守
 
概要
 『サマーウォーズ』『バケモノの子』などの細田守が監督を務めたアニメーション。小さな妹への両親の愛情に戸惑う男の子と、未来からやってきた妹との不思議な体験をつづる。企画・制作は、細田監督らが設立したアニメーションスタジオ「スタジオ地図」が担当し、細田監督作に携わってきたスタッフが集結している。声の出演は、上白石萌歌、黒木華、星野源、役所広司ら。(シネマトゥデイより)
 
感想
 アニメ版「時かけ」が出たとき、多くの人は細田守こそ宮崎駿の後継者だと思った。ぼくはいま思う。いやむしろ高畑勲の後継者やったんやと。
 
 その心は…すっげーつまんねーけど、すぐれた作品を作る←
 
 アニメーションとしては本当に優れている。冒頭の空撮ショットから、画面が動く動く。3DCGを使ってない場面でさえも3次元的な作画がなされている。複雑な家の構造も圧倒的なレイアウトで見事に捉えられている。
 
 山下高明、濱洲英喜…「ひみつのアッコちゃん」(14話)以来の細田さんとのトリオ。時間もお金もかけたら、これだけの物を作ることができる。過去シーンでの…あれは男鹿さんの仕事なのかな…日本画の新川美湖を連想させるような美術も美しい。雨のエフェクトも効果的だ。レイアウト、作画、背景、CG…みないい仕事をしている。
 
 やりたいこと、言いたいことは明確だ。是枝監督のペシミスティックな家族像や、山田洋次監督の悲喜劇とはまた違った、家族への素朴な信仰が胸を打つ。受け継がれていくもの、繰り返されていくこと。ただ…どこか他人の家族アルバムを見せられているような気分がするのもたしかで…なんだろうな…。
 
 構成としては、いくつかの短編を連ねたような作り。なかには出来のよいエピソード(ひいじいさんのエピソード)もあれば、そうではないもの(東京駅のエピソード)もある。一般的な劇構造を取っていないせいか、時々ひどくまどろっこしく感じられる。同じパターンの繰り返し。もう1度全部通して見るのは少しかったるいかな…こういうのは、TVで毎週20分見るくらいでちょうど良い。
 
 少し思ったのは、これ、「クレヨンしんちゃん」の映画でやっても良かったかなと。家族構成や舞台設定はそのまま「クレヨンしんちゃん」に持っていけそうだし、「クレヨンしんちゃん」なら、ああしたまどろっこさもギャグで吹き飛ばすことができる。この映画はギャグセンスが致命的に弱い。
 
 まあ、この作品自体は否定はしないし、細田監督の想いが込められているのも分かる。でも…やっぱりこれじゃあ、お客さんは呼べない。だって、もう一度見たいとは思わないもの。
 
☆☆☆☆★(4.5)