整理のために(「曜変天目」誤鑑定)
2016年末放送の『なんでも鑑定団』において、中島誠之助氏により世界で四点目の「曜変天目」と鑑定され、2500万円という値のついた茶碗。これと酷似(模様や字体から傷や穴などまで一致)した茶碗が2015年2月(放送の一年以上前)にヤフオク出品され、9250円で落札されていたことが明らかに。
(左がヤフオク、右がなんでも鑑定団)
①両者が同一個体だった場合
曽祖父から云々、三好家云々という「来歴」が偽り
➜曜変天目という鑑定は「来歴」込みだったので、誤鑑定
②別個体だった場合
窯変でここまで同じ模様が出る可能性は限りなく低いので窯変ではない
➜曜変天目はそもそも窯変である筈なので、誤鑑定
いずれにせよ、誤鑑定はすでに確定したと判断できる
付随的な話
・ヤフオク画像はPhotoshopではないのか?
➜件の画像は「オークファン」というアーカイブサイトに掲載されているもの。Photoshopであろうがなかろうが、この画像が2015年にすでに存在していたという事実は動かせない。
・両者は汚れ具合や高台の色が違っているが?
➜仮に同一個体であれば、ヤフオクの方はヴィンテージ加工(泥付けなど)が施されていると考えられる
(施されたヴィンテージ加工を「洗浄」した上で「なんでも鑑定団」に出品? 所有者が番組内で「100回洗った」と述べていることも、このことを裏付ける)
・なぜ「ヴィンテージ加工」と断言できるのか? ヤフオクに宋代の「ホンモノ」が出品されていた可能性は?
➜類似性の高さから、過日報道された李欣紅さん制作の大量生産品「胡蝶盞」のひとつと考えるのが自然
(少なくとも、国宝の曜変天目3点よりも遥かに「胡蝶盞」の方に模様が類似している。また、国宝3点には見られない「供御」の文字が、「胡蝶盞」と「なんでも鑑定団」「ヤフオク」茶碗には共通して見られる)
・逆に李さんが「なんでも鑑定団」の茶碗を模倣した可能性は?
➜時系列的にそれはあり得ない。
(「なんでも鑑定団」の放送が2016年末、李さんが「胡蝶盞」を制作し始めたのは2011年)
・ヤフオクには「曜変天目」として出品されているが?
➜開始値250円、落札値9250円ということを踏まえれば、明らかに「ホンモノ」ではないと分かって出品している
(ショッピングやオクなどに「曜変天目」として出品されるのはよくあること。ただしそれらは、世界に数点しか無い「ホンモノ」の曜変天目とはまるで「別もの」…要は「曜変天目風」を「曜変天目」と言ってしまっているだけのこと)
・現代の化学顔料は用いられていないという奈良大学の調査結果は?
①(李さんは顔料を用いたと言っているが)用いられた顔料が単に現代式の化学顔料ではなかったか、
or ②そもそも奈良大の調査に間違いがある(陶芸家の長江氏は当初から調査方法に疑義を呈していた)
参考:なんでも鑑定団「4点目の曜変天目茶碗」の疑問点まとめ

