韓国で行われているU20ワールドカップ。
グループリーグの第三戦、日本はイタリアに2点先制されるも、堂安の2ゴールで追いつき、決勝トーナメント進出を決めました。なかでもスーパーだったのが、堂安の2点目(↓動画01:20~)でした。ペナルティエリアの中でイタリアの選手4人を抜き去りゴール。
このシーン、ぼくが素晴らしいと思ったのは、堂安がシュートを「撃たなかった」こと。ペナの中に入ってもシュートを撃たずに、相手を抜いて抜いてゴール。いや…まあ、最後のあれは広義の意味ではシュートの内に入るでしょうが、「撃った」というよりはむしろ、「転がした」という感じに近かったように思います。
「日本人はシュートを撃たない」とはよく言われることです。たしかにもっと積極性があっても良いと思う時はあります。ただ…その「シュートを撃つ」って感覚が、ぼくはいまいち気に入ってなくて。つまりですね。「撃たなきゃ!」って意識することで、かえって緊張して身体が固まってしまうような気がするんです。だから、「ふかして」しまうわけですし、モーションも大きくなってDFとしては反応しやすくなります。
シュートチャンスってのは、まさに「チャンス」なわけですから、こっちが有利な状態の筈なんです。だって、DFはミスしたら終わりですから。そこでわざわざ攻撃側が緊張して身体を固くしちゃってどうするんですか。ドリブルでもパスでもフェイントでも、いくらでもやりようはある筈なのに、「撃たなきゃ!」って意識に凝り固まっていると、その可能性を自ら閉ざしてしまいます。
「シュート」ってものを、なにか特別のものとして意識するのは絶対に良くないと思うんですよね。ジーコは「ゴールへのパス」ってよく言っていましたが、あれも同じことだと思うんです。最終的にゴールに「ボールを通せば」良いんで。必ずしも強く「撃つ」必要はないわけですよ。
堂安のシーンを振り返ってみると、ここではむしろ、イタリアDFの方の身体が固まっていることが分かります。堂安は、前半に何度か左足でシュートを放っていたので、DFとしても左足を警戒していたのですな。そこへ堂安は、逆にやや右前の方へスルスルスルっと抜けていく。シュートチャンスはあった筈ですが、あえて縦に仕掛けることで、DFの逆をとっているんです。
で、最後にボールをコロコロっと転がしてゴール。このイメージですよ、このイメージ。まさに、ゴールに「ボールを通した」って感じでした。「シュートを撃つ!」って意識に凝り固まっていると、こういうイメージは生まれないと思うんです。だから、このシーンの堂安にはしびれましたな…「撃たないんだ…」って。