レヴェナント:蘇えりし者(4.5) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
​レヴェナント:蘇えりし者
THE REVENANT
 
2015年
 
監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
 
概要
 レオナルド・ディカプリオと、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』などのアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督がタッグを組んだ話題作。狩猟中に瀕死(ひんし)の重傷を負ったハンターが、自分を荒野に置き去りにした仲間に復讐(ふくしゅう)するため壮絶なサバイバルを繰り広げるさまを描く。主人公の宿敵には、『インセプション』でディカプリオと共演しているトム・ハーディ。オスカー常連のカメラマン、エマニュエル・ルベツキが自然光のみで撮り上げた臨場感あふれる映像にも注目。(シネマトゥデイより)
 
感想
 今年度のアカデミー賞。政治集会化した挙句、肝心要の作品賞でトチっちゃうとか締まらんなあ…とか。まあ、それはおいておいて。アカデミー特集ということで、昨年度の監督賞『レヴェナント』がWOWOWで放映されていた。
 
 ふむ…( ..)φ
 
 作劇に疑問…というか。「もう…あいつ絶対トラブル起こすだろう!」って。まるで「志村うしろ!」みたいで、この物語が「作られたもの」「物語のための物語」という感じを強くさせた。そういう予定調和的なプロットに、ぼくはややウンザリだ。演出のリアリティもアニメ的というかな…どこか嘘が感じられる。
 
 それとは裏腹の、血や肉を描き切る生々しい描写(ディカプリオが生命力を取り戻していく描写は、なかなか引き込まれた。肉が旨そう…というのではなく、体/命そのものが肉を欲しているように見える辺りは凄い)。そして、実物と見分けがつかない超精細なCG。
 
 嘘っぽいストーリーテリングや演出と、それらの間のギャップは、この映画に不思議な味わいを与えている。まるでフリードリヒの絵画のように荘厳な風景の中で紡がれる、作為的な弱肉強食の物語は、主人公が夢と現実の間を行き来することも相まって、まるでおとぎ話のように見える。
 
 さらに映像面で特筆すべきは、カメラが被写体の周りを360度回り込むところ。これがどういう効果を持っているかというと、撮影隊の存在を(鑑賞者の意識から)消し去ることによって「映画」という感じをなくさせる。
 
 撮影隊の「不在」によって、鑑賞者の視点は俯瞰で見る神の視点へと転換される。なんとなく、箱庭やジオラマの世界を眺めているような、そんな気分にさせるんだ。あまりに…壮大なジオラマだけれど。
 
 壮大なジオラマの中で展開されるおとぎ話。これ、何に似ているかって、じつは『トゥルーマン・ショー』だと思う(街⇔自然、コメディ⇔シリアスという違いはあれど)。
 
☆☆☆☆★(4.5)