「失ったもの2(くまの最低点)」
ある女の子は、いまよりずっと野暮ったかった『不器用太陽』の頃のくまを見て、「MVに出ているなかでいちばん可愛い」と言ってくれた。ぼくはそれが何より嬉しかった。自分自身が褒められるよりずっとね。
1.
(髪を染めたのは)「同年代の女子に受けたかった」と言ったくま。一口に「女子」と言ったって、オシャレな子が好きな子ばかりじゃない。自分のウリが何かを分かってやしないんだ。でも、そんなことより悲しかったのは、相も変わらず「ファンの方は褒めてくれた」と繰り返していたこと。
くまブログのコメ欄には、「黒髪の方が良い」って趣旨のコメがいくつも入っていたことを、ぼくは知っている(ぼく自身はコメしない主義だけれど)。そうした声が、くまの耳には届いていない。あの子の耳は、自分の聞きたいことしか聞こえない。ぼくらは、くまの中には存在していないも同然なんだ。
「今までのファンの人も大事」と言ったって、そんなの口先だけでしょ? だって存在すらしてないんだから。だったら別に、その「同年代の女子たち」や褒めてくれたメイクさんやメンバーに支えてもらえば良いんじゃないの? 選挙だって、その人たちに入れてもらえば良いじゃん。
でも、そんな覚悟もないんでしょ? 何かを選び取るということは、また別の何かを失うということ。その覚悟もないまま染めたりするから、またすぐに戻したりする。ただ、それで割り切れるわけでもないから、結局、いちばん中途半端なところ(地毛なんだか染めてるんだか…)に落ち着く。
2.
くまのそうした姿勢は、今に始まったことじゃない。たとえばSNS。
ツイッターがはじまったらやってみる。で、ぐぐたすとは「ハイ!さよなら」。でも、ツイに全力を注ぐわけでもない。インスタがはじまったらやってみる。だけど、インスタに全力を注ぐわけでもない。
じゃあブログに傾注してるか…って、もちろんそんなわけもなくて。結局、どれもこれも中途半端なまま。手を広げた分だけ薄くなっていく。新しいものには興味をもって食いつくけれど、どれもこれも身につきゃしない。やってることが普通の学生と変わらない。
「指原莉乃と言ったら(かつては)ブログ!」「小嶋陽菜と言ったらインスタ!」「中井りかと言ったらSR!」のような、「熊崎晴香と言ったらこれ!」って何かがないんだ。
(たとえ薄くとも)「一人でも多くの人の目に…」って思うかも知れない。でもそれじゃあ他のSNSがほったらかしになっている理由がつかんよ。
755がはじまったらやってみる。で、しばらく経ったらほったらかし。選挙の時にだけちらっと顔を出す。SRだってそう。しばらく経ったらほったらかし。今じゃ、紅白投票の時や上から言われた時にだけちらっと顔を出す程度。
それって「どうやってファンを楽しませよう…ファンと一緒に楽しもう」って姿勢じゃないじゃない。ただの「顔ウリ」と「お願い」のためのツールにしかなってないじゃない。そんなんで新規が集まりゃ苦労しないよ。
それに、そんな姿勢はファンにはとっくに見抜かれてるんだって。あのね。知名度勝負だった紅白投票と違って、総選挙ってのはひとりひとりのファンの忠誠心とか士気が大事なの。一日一日の姿勢がすべて響いてくる。見てるんだよ、ファンは。
3.
仕事に対する姿勢もそう。これはもう…アイドルとしての戦略以前の問題なんだけど。
たとえば、番組告知。くまが生放送以外の番組告知をするところを、ほとんど見たことがない。それって要は、自分のスケジュールは把握しているけれど、自分が出ている番組の放送スケジュールは把握してないってことでしょ?
呼ばれたら仕事をして、そこでは頑張るんだろうけれど、あとはほったらかし。ちゃんとひとつひとつの仕事を大事にしなよ。ちゃんと告知くらいしようよ。他の子を押し退けて出てるんだからさ。その枠が喉から手が出るほど欲しいって子が、どれくらい居ると思ってるの?
くまが放送/出演スケジュールを把握していないって問題は、先日の公演にも表れていた。その日、くまは別仕事の予定で、くま自身もその積りでいた。なのに、なぜだか公式サイトの公演スケジュールには、くまの名前が掲載されていた。
もちろん、それ自体は公式サイトの掲載ミスで、くまには何の責任もない。でも、ちゃんと公式サイトの出演スケジュールをチェックしておけば、もう少し早くそのミスに気付けた筈で。結局、くまが気付いたのは、公演前日になって訂正情報が流れたあとだった。
そんなくまだから、一年間(弱)やってきたラジオのテストで最低点を取っても、ぼくは不思議じゃなかった。テストっても「常識テスト」みたいに、おバカなことが逆に美味しいようなテストじゃない。番組名とか共演者の名前とか、そういう芸能人としては絶対に押さえておかなければいけないような基本的なこと。
くまの成績は13人中ぶっちぎりビリの22点。意外に思った人もいるだろうけれど、ぼくは逆に「そりゃそうでしょうよ」と思った。(その番組は生放送だから告知自体は毎回していたけれど)ここまで書いてきたようなくまの姿勢って、そういうところに現れるんだと思うから。
くまはグレたんじゃなくて、もともとこういう子なんだって。だからこそぼくは、「私はちっぽけな人物だった彼を登用したが、失った時には偉大な人物となっていた」とナポレオンに言わしめたランヌのように、成長していってほしいと言っているわけだから。
他の子を押し退けて出ているのに、グループとして勝ち取った枠なのに、グループを背負って出ているのに、共演者の名前すら覚えていない。そんな姿勢じゃ、どこへ行ったってものにならない。どれだけグループに甘えてるんだよ。
いい加減、ちゃんとしなよ。
4.
ひとつひとつの仕事を大事にせんのに、今度は「朝の番組に出たい」とか言い出してるくま(時系列的にはテストの前)。なんだか、「同年代の女子に受けたい」ってセリフとかぶるんですけど…。
じゃあ、朝の番組に出るために何かしてるかって、何にも考えてない。それって、ただ知名度を上げるための近道がしたいだけに過ぎんでしょ。朝の番組に出たい子がどれだけ居ると思ってるの? その子たちを押し退けるために、いったい何ができるの? 自分の出ている番組も大事にしやしないのに。
よその芝生をうらやましく思うんじゃなくて、まず自分ちの芝生を手をかけて育てなよ。自分の出ている番組を大切にしなよ。番組って、自分たちの手で育てるもんなんだよ。そうやって実績を積んでいって、それではじめて道が拓けるんでしょうが。
(初めの話に戻れば、ファンに対する姿勢にも同じことが言える。つまり…自分のファンを大切にしなよ。自分のファンにちゃんと手をかけてコアヲタに育てなよ。そうやってコアヲタが育ってはじめて、ちゃんと選挙で戦える勢力になるんでしょうが)
あのね、松井玲奈の座右の銘を教えてあげる。それは「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」っていうの。『エウレカセブン』のセリフなんだけどね。
その意味を千回くらい考えるといいよ。後ろを振り返って、自分が失ってきたものの大きさに気付く前にね。