Invisible(熊崎晴香) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)


Invisible(熊崎晴香)

 冬、黎明の海。三浦半島の上空がオレンジに染まり、七里ガ浜を通り抜ける車のテールライトが赤く瞬いている。手前の浜辺では、釣り人たちのシルエットがポツンポツンと等間隔に並ぶ。振り返れば小田原の灯。もう数時間もすれば、新幹線に乗ったくまがあの町を通過していく。

 みんなそれぞれの人生があって、それぞれの想いを抱えながら、この空の下に生きている。

 今朝、いままで沈黙を保っていたくまが、ラジオ番組のネタの中で、こっそり髪を染めたってこと、それがバレて誤魔化したってこと、そうして黒髪に戻したってことをはじめて認めた。

 ぼくは、くまが頰被りしていたことに対しても怒っていたわけだから、ネタの中とはいえこうして素直に認めたってことは、認めてあげなきゃいけないんだと思う。

 正直、ファンには言わないでおいて、ラジオで言うのは「なんだかな…」って想いもあるけれど、ことの発端が当のラジオだったから、それも仕方のないことかもしれない。こういう形じゃなきゃ、あの子は言えなさそうだしね…。

 ただ、ぼくを複雑な気持ちにさせたのは、「ファンの方は髪を褒めてくれた」って強調してたこと…。あれ? ぼくは思いっきり心が折れて離脱しそうになったんだけどな…。そりゃあ、握手会に来るような人は褒めるかも知れんけどさ…ぼくみたいな人って「ファン」の中に入っとらんの…?

 「面倒くさいなあもう、お前はメンヘラか!!」と言われても仕方ないけれど、たぶんそうでしょう(←)まあ、ネガティブなこと言いたくないって気持ちは分からんでもないけれど、でもね、やっぱり寂しいよ。

 ぼくは滅多に会いにも行かないし、リプとかコメもしないけれど、ぼくという存在…ぼくみたいなファンも存在しているってことは分かっていて欲しいし、くまの心の中に存在できる場所を作っておいて欲しい。

 「存在自体が見えないのに、それって無理じゃね?」って話になりそうだけれど、たぶんそうじゃない。玲奈が現役だった頃、ぼくは「このブログ読まれてんじゃなかろうか…?」って気分になったことが何度もある。

 それはたぶん錯誤で、そんな筈はなくて。それはつまり、玲奈って子がそれだけファンの気持ちがわかっていたってことだと思うのね。あの子とは相当に意見が違うこともあったけれど、そういう意見の人も居るってことを、ちゃんと分かってくれていた。

 みんなの意見を反映できるわけじゃもちろんない。時には意見が真っ二つに割れてしまうことだってある。でも、そういう時でも、分かってくれているってだけで、そして、「そういう意見の人がいることもちゃんと分かってますよ」って言ってくれるだけで、本当に救われるんだ。

 くまと同じ状況だったら、玲奈はたぶん「いろんな意見のファンの方がいました」と言ってくれていたと思うのね。それはたぶん、あの子の情報収集力とファンの気持ちを想像する力の賜物で。

(と言うか、あの子だったらそもそも、こうなる以前にちゃんと説明していた。実際、映画の仕事で染めた時はそうだったし、茶髪でいくことに色気を見せたこともあったけれど、ツイッターでアンケートを取って、黒髪派が優勢だと見て取るとすっぱりと黒髪に戻した)

 くまって、そこんところが致命的に欠けてるんだと思う。今回の件よりはるか以前、総選挙の時にもチラッと苦言を書いたけれど、その時にもぼくが言っていたことは、くまの言動からはファンの顔が見えないってことだった。

 たとえば、とても細かい話をするけれど、以前、「雨が降っているから、みなさん傘忘れないでくださいね」みたいなモバメが来たことがあった。いや…愛知は降っているかも知らんけれどさ…。傘は忘れても良いけど、他の地方の人がいることは忘れんなよと←うまいこと言った

 別にね、送るモバメがすべて全員に当てはまらなきゃいけないなんて言わない。そういう臨場感みたいなものは、むしろ大切だと思う。だから、そこにたった一言、「"東海地方の人は"傘忘れないでね」と付け加えるだけで良い。それで、「ちゃんと他の地方の人が居ることも分かってますよ」ってメッセージになる。そのたった一言が大事なんだ。

 くまってたぶん、自分の目に見えている範囲のことしか考えられないんじゃないかな…水素水も信じちゃうしね(←それは関係ない)。冗談は置いておいて、くまを推していると、そういう風に感じられることがとても多い。

 今回の投票もさ…。「応援してください」って一辺倒で。そりゃあね、握手会に来るような濃いヲタさんは勝手に自分で調べて勝手に投票するんだ。でもね、ちょっと興味あるけれど、投票とかどうやってするか分かんない…みたいな人だってきっと居る。

 そういう人に対して、「こうやって投票できます」ってちゃんとガイドしてあげないと。アプリをアンインストールすると投票無効になるとか、そういう情報も含めてね。ひとりひとりに寄り添った情報をあげていかないと。ちゃんとファンひとりひとりの立場に立って考えないと。

 ラジオでもさ…せっかく紅白の話を振ってもらったのに、「アプリで投票できます」としか言わなくて、有野さんだったかな? が、「データ放送でも出来るんだよね」って。そりゃあダメだよ。そもそも、ちゃんと投票方法って分かってる? ちゃんと調べて自分で投票してみたの? あまりにも分かってなさすぎて、不安になるよ。

 目に見えないような遠くに居る人たちのことを想像できないこと。その人たちが何を考えているかを知らないこと。くまがこの先、昇っていくためには、きっとそこがいちばんのネックになる。自分の目に見えている範囲の人たちだけのアイドルになるか、それともより広範囲の人たちのアイドルになり得るのか…。

 人は、自分を認めてくれる人のために命をかける(人もいる)。逆に、その人のために戦っていても、その瞳の中に自分の姿が見出せないのならば、「ぼくはいったい、なんのために戦ってるんだろう…」って分からなくなる。

 あの…ぼくの姿(ぼくみたいなファンの姿)はちゃんと見えてますか? きっとね、くま推しが卒業する時って、寂しくて卒業しちゃうんだと思う。うさぎは寂しいと死んじゃうんだよ?

 ただね…ひとつ希望があるとすれば、今回、くまがまだ言っていないことがあるってこと。それは、なんで黒髪に戻したのかって話。だってさ、ファンの人から好評だったなら、別に戻す必要はなかったわけで。染めるの禁止ってわけじゃないし、実際、Eには染めている子も多いわけで。

 だからさ、そういう黒髪派の人もいるってことを分かっているなら、ちゃんと見えているなら、まだ希望はある。だって見えていないものを見えるようになるよりは、すでに見えているものをちゃんと「見えてますよ」って言えるようになる方が、よっぽど可能性はあるだろうから。



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