アイコ十六歳 (1983) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)


アイコ十六歳 (1983)

監督:今関あきよし

感想
 どこかミステリアスで憂いを帯びた『さびしんぼう』とは対象的に、このデビュー作では、はっちゃけた垢ぬけない富田靖子を見ることができる。その姿は、どこか城恵理子(NMB48)を彷彿とさせる。復帰前はひどく推されていた彼女。秋元康が彼女の内に見ていたのは、(前田敦子ではなく)きっとこの時の富田靖子なのだな…という気が僕はする。

 ストーリーだとか、まあそういうのは置いておこう。泣いて笑って、走って自転車に乗って、弓を引いて、屋根に座る。ただそれだけでも、問答無用の力がある。汗、水しぶき、透けたTシャツ、花火の煙。夏特有の空気感が、フィジカルな魅力を際立たせる。

 この映画、なにより空撮が素晴らしい。遠景の中、ひとりポツンと置かれる。この瞬間、「映画」(物語映画)というフレームを越え、ドキュメンタリーへと半歩を踏み入れる。80年代のこの日この時、彼女はたしかにそこに居たのだ。