世界から猫が消えたなら
2016年日本
監督:永井聡
あらすじ
ある日、余命いくばくもないごく平凡な30歳の郵便配達員(佐藤健)の前に、自分と同じ容姿を持つ悪魔(佐藤健)が出現する。その悪魔は、彼の身の回りの大切なものと引き換えに一日の命をくれるというのだ。次々と電話や映画や時計などが消えていく中、彼は初恋の女性(宮崎あおい)と再会し、共に過ごした日々を振り返る。(シネマトゥデイより)
感想
この映画…予告編はとても雰囲気が良いんだ。映像も良いし、音楽も素晴らしい。なんだか良さげな映画に思える。
それに、何よりタイトルが良い。「世界から猫が消えたなら」もうこのタイトルだけで半分勝ってしまっているようなもん。
…ねえ?
でも、正直それだけだった。
予告編はどこか純文学のような雰囲気を漂わせていたけれど、実際のストーリーはなんかケータイ小説っぽいというか…。アイデアは面白いと思うけれど、大仰な設定の割に、それが結局、主人公とその周りの問題にしかなっていない…今さらセカイ系? みたいな。
映画自体の作りも疑問。シンプルであることは単調であることを意味しないし、ゆっくりしたリズムは退屈であることを意味しない。切なさもまた陰気臭さということを意味しない。この映画は、それらを勘違いしている。
もともとCM畑で高い評価を受けている監督。短い尺では良くても、2時間の使い方は分かっていないように思う。とにかく「間」がまったくもっていないんだ。 もちろん、演出が冗長だってこともあるんだけれど、理由はそれだけじゃない。
ひとつは主演の佐藤健くん。たしかに、佇まいはとても良い。あの予告編の雰囲気の良さも、その佇まいが大きく貢献しているだろう。でも、喋りがダメだから、全然、間がもっていない。これだけ「語り」のある役なら、その点も考慮してキャスティングしなきゃ。
もうひとつは、これも音の問題で。劇伴(BGM)が壊滅的にダメ。なんだろうな…。とにかく単調だし、「そこ必要ないだろう」ってところまでガンガン入れてくるから、しまいには五月蝿くなってしまう。…でも、音楽担当しているの小林武史さんなんだよね…( ;¬_¬)
(主題歌はとても良いと思うのだけれど)
脚本も、どこかもたつき感があるし、陰気臭くてゲンナリしてしまう。…でも、これも(原作ものとは言え)脚本担当しているの岡田惠和さんなんだよね…。この「座組み」で負けるか…普通? 大物を引っ張ってきて、それに引き摺られているんじゃ話にならん。
CM畑出身の映画監督でも、優れた人はいる。有名なところだったら大林宣彦さんとか、故市川準さんとか…。でも、この監督さんは、正直…映画には向いてないと思う。結局、この映画も30秒のCM(予告編)の方が遥かに出来が良かったという…そういうオチ(-_-;)
☆☆☆(3.0)
物語3.0
配役3.0
演出3.0
映像4.0
音楽2.5