ちはやふる -下の句-(4.5) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
ちはやふる -下の句-
 
2016年日本
 
監督:小泉徳宏
 
概要
 競技かるたを題材にした末次由紀の人気コミックを、『海街diary』などの広瀬すず主演で実写映画化した『ちはやふる』2部作の後編。競技かるたに情熱を注ぎ全国大会を目指す高校生たちの物語を、前作同様『タイヨウのうた』などの小泉徳宏監督が描く。ヒロインの幼なじみを野村周平と真剣佑が演じるほか、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希、清水尋也らが共演。クイーンとしてヒロインの前に立ちはだかるライバルに松岡茉優がふんし、広瀬と真っ向勝負を繰り広げる。(シネマトゥデイより)
 
感想
 「上の句」は超出来だった。どれくらい超出来だったかと言うと、そうだな…毎週、月曜日になるたびに観に行って、挙句、僕の服の趣味が変わってしまうくらいに(←世界の彩度を上げたくなった)
 
 さて…否が応にもハードルが上がる「下の句」…( ..)φ
 
 序盤は特に難しさを感じる。原作の要素を、上手く青春部活もののテンプレートに融かしこみながら、一本の映画として仕立て上げていた前作。対して、(物語の途中から始まるため)その手法を使えない今作では、リズムの構築に苦労している。
 
 私見だけれど、ドラマのために障害を作り過ぎたのではないかと。リズムが上がってくるのかな…と思うと、また障害にぶつかってリズムが落ちる。「上の句」ではあれほど軽快だったリズムが、ここでは息も絶え絶えだ。これまで物語を力強く駆動させていた千早が、ここで悩みに入ることもあって、物語全体の勢いみたいなものが削がれている。
 
 したがって、映画全体の流れるような「心地よさ」という点では「上の句」に一歩も二歩も譲る。僕が「上の句」を高く評価したのはまさにその部分だったから、そこが少し残念ではあった。
 
 もちろん、良いところもある。まずテーマが明快であること。数々の障害を乗り越えていくことで生まれるドラマも、このテーマを強く訴えるために役立っているわけで、終盤は心震える場面が続いていく。「感動」という言葉を使うとすれば、それはこの「下の句」にこそ相応しい。
 
 そして、嫌な女をやらせたら日本一(褒め言葉)の松岡茉優ちゃん。彼女が良い。孤高の影を纏ったクイーン若宮詩暢を、原作よりちょっとだけ棘々しく演じている。だからこそ、とある終盤の場面が(原作にもある場面だけれど)とても良いんだ。
 
 柳田さんのカメラも相変わらず素晴らしい。東京がメインだった「上の句」とは異なり、「下の句」では富山や滋賀などが舞台として登場する。そこで流れていく風景がとても美しい。そして、ハイキーでかつ彩度を上げた画作り。僕の服の趣味を変えた画作り←
 
 「下の句」はたしかに完璧な出来ではなかったけれど、でも…正直、あまり悪く言いたくないんだよな…。この『ちはやふる』という映画が大好きなんだ。なんだろうな…この人たちが作る世界に(それは原作でもアニメでも映画でも)ずっと浸っていたいというか。
 
 このまま終わってしまうのは、2つの意味で惜しかった。まだまだ続いて欲しいって想いと、この出来で終わってしまうのは少し残念だという想いと。だから、続編の製作が決定して良かった。
 
☆☆☆☆★(4.5)
物語4.0
配役5.0
演出4.5
映像5.0
音楽4.0