うつせみ(アイドルに関する長い話9)
そんなこんなで、りおんとさきぽんの握手にも行きたかった。
今回の全握、さきぽんは参加していないから、りおんに行こうと。
S公演の「前のめり」センターも良かったし、ヨシ、それで行こう! と。
同レーンのすーちゃんには…何を言えば良いんだら…。
『ピーターパン』ってまだやってたんだっけ?
っても、見てないから感想も言えんしな…。
ま、何とかなるだろ…。
列車はやがて名古屋に着く。
ここで…あれ?
下調べした場所にコインロッカーがない。
歩いて見つけて…でも空いているのがない。
少し待って、ようやく荷物をしまう。
そうして、あおなみ線へと乗り換える。
なんとSuicaが使える。オドロキ。
あ、ここにもロッカーあったな…。
列車は埠頭へ向けて進んでいく。
港湾沿いの、なかなかそそるロケーション。
だけどカメラはロッカーのなか。
真向かいに、アイドルっぽい子と、そのマネージャーらしきおじさん。
この子も握手に行くのかな…。
金城ふ頭。到着。
港に船。空にはいわし雲。
全握会場はポートメッセなごや。
人の流れがあるからすぐに分かる。
到着…と思いきや、いくつか会場がある。
たしか…第二展示場だったかな。
ガラス張りの通路を右に曲がると、巨大な体育館のような空間。
会場の入り口で、手荷物検査をしている。
手ぶらのボクは、スイっと入り口を抜ける。
そこは…人の渦だった。
どこがどうなっているのかもよく分からない。
どうやら向かって右側にレーンが並んでいるらしい。
手近な掲示板でりおんレーンを確認。
9レーン。
9…9…9…と、。
あれ?
看板が7、8…とあって……11レーン。
間に、なぜだか「ゆあたん」(支配人)の看板。
…?…?…?…?…?
もういちど掲示版を見てみる。
レーンの握手時間は14:00までだけれど、
受付時間はその30分前まで…と。
いまは…13:40。
またしてもボクは…。
ロッカーを探していたあの時間が致命的だったんだ。
きっと、受付終了時間なんて知っていて当たり前。
りおんには縁がないとか、そういう問題じゃない。
14:30からミニライブ。
それまですることがない。
ボーッとレーンの方を眺める。
あ、あれ…はるたむだ…。
ボクが見たはじめてのSKEメン。
さらに奥の方では…あ、あれ阿弥ちゃんかな…。
手を握ったまま机の端まで動いてお見送りしてる。
さすがやな。
遥か彼方の1番にひょんさんレーン。
雲霞のごとき人の群れ。
ひょんさんレーンは14:30までだから、
まだ受付は終了していない筈だった。
でも…あれだけの数を14:30までに捌けるわけがない。
どこかで打ち切られるんだろうな…。
ただでさえ迷路のような会場。
ボクはここで諦めた。
(あの時並んでいたら…どうだったろう)
何をするでもなく、ただボーッと突っ立っている時間。
みんな、毎回こんなムダな…(って語弊があるな)
手持ち無沙汰な時間を過ごしているんかな…。
でも、そうした時間があるからこそ、
握手の一瞬がより眩しく輝くのかも知れない。
そんなことを、ボンヤリと考える。
どこを見ても人、人、人。人の波。
ライブビューイングなどで、これまでにもSKEファンは見てきたけれど、
イメージと違って、ヲタヲタしいタイプ(それがどういう意味にせよ)ばかりじゃない。
女の子も割と居るし、男ファンの格好も…なんと言うか…
オシャレ…と言うよりは、気合いの入った格好と言うのかな。
そう…気合いを入れた初デートの格好みたいな。そんな人も割と見かける。
考えてみれば、そりゃあそうだろうな…って。
それがどういう感情にしろ、「好きな子」に会いに来てるんだから。
ボクは天井を眺める。
屋根を支えているあの鉄筋。
あれに座りたいと切に願う。
地上に舞い降りた天使だか悪魔のように、
あそこに座って会場を眺めるんだ。
たぶん、ボクの意識って常にそういう感じで、
まるで観察者のように、俯瞰的視点に居ようとする。
人と同じところに居ることが、耐えられないんだ。
ボクはいったい、ここで何をしているんだろう。
つづく