エイプリルフールズ(3.5) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
エイプリルフールズ
 
2015年日本、118分
 
監督:石川淳一
 
主演:戸田恵梨香
 
概要
 大ヒットとなったテレビドラマ「リーガルハイ」シリーズの製作陣と豪華キャスト陣が集結した群像コメディー。うそをつくことが冗談で済まされるエイプリルフールを舞台に、人々が軽い気持ちで放った小さなうそが大きな騒動を引き起こしていく。監督と脚本は「リーガルハイ」などの石川淳一と古沢良太。戸田恵梨香、松坂桃李、岡田将生、小池栄子、古田新太、里見浩太朗らが出演。個性的なキャラクターにふんした彼らの怪演に加え、二転三転する先読み不可能な展開にも引き込まれる。(シネマトゥデイより)
 
感想
 「季布の一諾」という言葉がある。
 
 漢の高祖に仕えた季布という人がいて、彼は決して約束を破らなかった。そのため、「季布に一度ウンと言ってもらえることは、百斤=60kgの黄金(現在の金相場で約3億円)を得るよりも価値がある」と言われたという話。ボクがいつも胸に刻んでいるエピソード。
 
 それに対して、「罪のない嘘」って言葉がある。ボクはいつも納得がいかないんだ。
 
 秋元康が「みんな、嘘をつくよ。数え切れない嘘の方が罪がない気がする」と言ったり、指原莉乃が「アイドルとしてウソをつくことは当然だと思ってます」と言ったりすることも、言いたいことは分からなくはないけれど、ボクはやっぱり納得がいかない(むしろそういうところこそ戦ってくれよと)。
 
  この映画は、そんな「罪のない嘘」にまつわる話を描いている。
 
 どういうことをやりたいかってのは、はっきり分かる。ボクにとっては三谷的(とくに『有頂天ホテル』)とでも呼びたいようなスタイル。一見バラバラな群像劇が絡み合っていって、ひとつのタペストリーを編み出していく。
 
 部分的には上手くいっているところもある。ただ、個々のエピソードの繋がりが弱い。幹じゃなくて枝で繋げているような感じだから、「おお…繋がった…」って感動は薄い。
 
 「リーガルハイ」のスタッフらしく、バカバカしいところもあるんだけれど、もっとずっとバカバカしくても良かった。それでこそ、終盤のホロっとさせる部分が効いてくるわけだから。その辺のメリハリが弱いし、なんかちょっと良い映画を作ろうって下心が見え隠れしていた。
 
 それから(ちとネタバレになるけれど)ラストのキスシーンは、あれカメラが逃げなくちゃいけなかったように思う。あれを逃げなかったことで、なんか映画全体がラブストーリーに見えてしまった。ただ、その後の空撮は良かった。こういう群像劇だとああいう空撮の効果はすごく出る。
 
キャスト。
 
 オールキャストなんだけれど、やっぱり堺雅人さんの不在は強く感じる。「リーガルハイ」の世界が成立していたのは、堺さんのあの独特の存在感があったからなんだな…ってことをね。
 
 戸田恵梨香ちゃんは(前から書いているように)好きだし、女優としても高く評価している。でも、今作…とくに序盤の演技は頂けなかった。コミュニケーション障害関係の監修がクレジットされていたから、一応チェックはしているんだろうけれど、でも演技に説得力がないんだ。
 
 あの子はもともと荒削りなところが魅力だったわけで、ああいう繊細な技術が必要とされるような役は向いとらんのかも。でもまあ、相変わらず、画面に映った時の雰囲気(風情)は良かった。
 
 逆に演技が良かったのは、子役の子(浜辺美波ちゃん)。あの子はどっかで見たことがある気がするんだけれど、あの子は良かったね。とくに目の表情が良い。あの子の存在で、あのエピソードは相当救われている。
 
 それから、ユースケ。そう言えばユースケこそウソ八百の人だった。そしてボクは、(少なくとも男性)芸能人のなかで、ユースケがいちばん好きなわけで…その辺りが不思議と言えば不思議。でも、ユースケのウソって、完全にウソだって分かるウソ、最初からウソだって言っちゃってるウソなんだよね…まあ、この映画はそういうユースケのキャラクターを活かしているわけでもなかったけれど。
 
 (そのユースケと「花村大介」で共演していた)山口紗弥加さんが浜辺美波ちゃんのお母さん役。あの山口紗弥加がお母さん役…。ボクはいまだに、「ウソだろ?」と思う時がある。たぶん、ボク自身が2015年に所属しているということ自体がウソのように思えているんだ。
 
 ボクはやっぱり、ウソは嫌いだな…。
 
☆☆☆★(3.5)
物語☆☆☆★
配役☆☆☆★
演出☆☆☆
映像☆☆☆☆
音楽☆☆☆