たまこラブストーリー
2014年日本、83分
監督:山田尚子
主演:洲崎綾
概要
「けいおん」シリーズなどを手掛けてきた京都アニメーションが制作を務め、恋に鈍感な女子高生をヒロインに友情や恋愛をさわやかにつづる青春アニメ。家業の餅屋を継ごうと考えている少女が、友人の変化や成長に触れ、自らも将来や恋愛について揺れ動く様子を映し出す。テレビアニメ「たまこまーけっと」や『映画「けいおん!」』と同じく、監督を山田尚子、脚本を吉田玲子、キャラクターデザインを堀口悠紀子が担当。愛らしいキャラクターや緻密(ちみつ)なストーリー構成、繊細で美しい描写が見どころ。同時上映は『南の島のデラちゃん』。(シネマトゥデイより)
感想
1.
『けいおん』は「日常系」といわれる。しかしながら、その「日常」ってのは、女の子しかいない、学校と自分の部屋しかない、それ以外のものはなにもない…って日常だった。ボク(ら)はそんな『けいおん』が好きだったけれど、それは一方では批判も受けた(e.g.東浩紀)。
京アニの『けいおん』チームが仕掛けたTVシリーズ『たまこまーけっと』は、そうした批判に対する彼女たちなりのアンサーだったかも知れない(ある意味ではね)。
舞台となるのは商店街、周りには大人たちがいる。隣の家には幼なじみの男の子がいて、淡い恋模様が描かれる。まるで、「けいおん」から捨象されていたものをすべてそこに放り込んだかのようだった。
だけど、そうして出来あがった世界は、不思議な浮遊感のある世界だった。理想化された商店街、糸電話で会話する隣家の幼なじみ…なんか70年代か80年代のアニメを見ているような感覚がそこにはあった。
この試みが上手くいったか…ボクは半々だと思う。
色々と放り込んでも、それでもまだ『けいおん』的な空気感を維持できたということ。ただ、そうして色々と入れたことによって、これが結局なにがしたかった作品なのか…ということが(批判に対するアンサーという以外には)見えなくなってしまったこと。
だからボクも結局、こうして『けいおん』との関係で語らざるを得なくなってしまう。
2.
さて、この映画版。これはタイトルにもあるように「ラブストーリー」がテーマになっている。だからある意味では分かりやすい。
分かりやすいんだけれども、なぜ『たまこまーけっと』でなければならないのか、なぜ『たまこラブストーリー』でなければならないのか…という必然性の部分が、最後までボクには見えなかった(『けいおん』はその部分は明確にあったと思う)。
この映画では、デラちゃんが居なくなっているからなおさらそう感じる。
なにもかも、どこかで見たような既視感がぬぐえなかった。これはこれで別にあって良いとは思うのだけれど、作品として「自立」していないって感じ。映画のテーマとは裏腹にね。
もちろん、スタッフの実力は高いから安定はしている。ストーリー的にも演技的にもキャラクターデザイン的にもね。細かい演技なんかは秀逸と言っても良い。ただ、それ以上のなにかをそこに見出すのは難しかったな…。
いや…これひょんさんが好きな作品だし(←そればっかし)別に悪く言いたいわけじゃないんだ。なんと言うか…これはこれであって良いとは思う。悪く言いたいわけじゃないんだよね…。
☆☆☆☆(4.0)