『メアリーと秘密の王国』
EPIC
2013年アメリカ、103分
監督:クリス・ウェッジ
主演:アマンダ・セイフライド
概要
『アイス・エイジ』、『ロボッツ』のクリス・ウェッジが監督を務め、神秘の森を舞台に平凡な少女と小さな人たちが繰り広げる冒険を鮮やかな映像で描くアニメ。少女が森の王国に住む女王と出会ったことから、自然あふれる森を守るべく仲間と共に戦う姿を活写する。日本語吹き替え版のヒロインの声を高垣彩陽が担当するほか、小野大輔、小山力也などの人気声優たちが集結。最新のCG技術を駆使して描かれる美しい自然の描写に息をのむとともに、友情や父娘の絆を描くストーリーが胸に迫る。(シネマトゥデイより)
感想
最新CGと言っても、そうしたものを見慣れている目にとっては、いまさら驚くようなこともあまりない。リアルといっても限度はあるわけで、意図的に表現をアニメ寄りにしている部分もある。
そうなると気になってくるのが、この映画内での現実とファンタジーの距離。ファンタジー世界をリアルに描き、現実世界をファンタジックに(アニメ的に)描くという、ある種の転倒がここでは見られるわけだ。
もちろん、『ピーターパン』をはじめとして、アニメの中でファンタジー世界と現実世界を描き分けるということはある。あの場合、ティンカーベルの到来→宙に浮かぶこと→ネヴァーランドと、段階を踏んでファンタジー世界へと入っていった。
この映画は、その辺が上手くいってないな…という気はする。色々と説明しようとし過ぎて、最初からファンタジー世界を見せちゃってるから、わあ…という驚きが少ない(はじめから終わりまで主人公視点で押し切っちゃった方が、その部分はたぶん上手くいったはず)。
それに、最初に書いたように、現実世界をファンタジックに(アニメ的に)描いているところがあるから、ここは最初からアニメ世界であって、そこで不思議なことが起こっても、それは当たり前でしょ…という感じがね、少しするんだ。
もともとの設定からして、現実世界と地続きなのにファンタジー世界という、少し曖昧なところがあったりもするしね。
まあ…それはともかく。
それでも、この映画は結構出来が良い。なつかしの『ミクロ・キッズ』や『バグズ・ライフ』、それから宮崎アニメ的要素も少し入っているかな。かなりオーソドックスな作りなんだけれど、本家のディズニーがひねった作品を作るようになった今、これはこれで価値があると思う。
それに、「Epic」って原題が示しているように、叙事詩的な要素もなかなかハマっている。幻想的なファンタジー世界での整然としたセレモニーや、敵の大軍に絶望的な戦いを挑むところなんか、なかなか良いわけよ。「ロード・オブ・ザ・リング」的というか、「スター・ウォーズ」的というかね。
正直、恋愛要素はいらないし、主人公メアリーの現代っ子的要素もとってつけたようだと思うけれど、これはこれでなかなかの佳作。わりとおススメ。
まあ、ディズニーやピクサー「ブランド」じゃないし、キャラクター造形も日本人向きじゃないから、日本では受けないだろうけれどね。
(あの名作『ヒックとドラゴン』が受けなかった国だからね…(-_-;))
☆☆☆☆(4.0)