超高速!参勤交代(4.5) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
『超高速!参勤交代』
 
2014年日本、119分。
 
監督:本木克英
 
主演:佐々木蔵之介
 
概要
 通常でも8日かかる参勤交代を5日で行うよう幕府から無理難題を押し付けられた小藩が、奇想天外な作戦の数々でピンチを切り抜けようとする時代劇。第37回城戸賞の入選作を、『鴨川ホルモー』などの本木克英監督が映画化した。資金も人数もない中、藩と領民を守るため奮闘する藩主には佐々木蔵之介、ヒロインを深田恭子が演じる。共演には伊原剛志、西村雅彦、陣内孝則ら実力派がそろう。
 
感想
 『超高速!参勤交代』およそ時代劇とは思えないタイピングソフトみたいなタイトル。山田洋次作品でおなじみの神戸浩さんのナレーションで幕を開ける。この2段構えで、肩のチカラが一気に抜けてしまう。
 
 そう、これはその程度の心構えで見るべき映画だ。肩ひじ張って見るような映画じゃない。
 
 舞台の演出家が、観客席がザワザワしたままスーッと舞台に入って行くか、それともドーンと幕が開いて観客席を一気に舞台世界に引き込むかをコントロールするように、本木監督もまた見る側の姿勢をコントロールする。
 
 本木監督と言えば、ボクにはまず「釣りバカシリーズ」が思い浮かぶ。本木監督の作品(11~13)は、仄かな空気感を醸し出す栗山監督の作品(1~10)とはまた違う明瞭さと清冷さがあってボクは好きだった。
 
 今作でも、そんな本木演出は健在だ。特筆すべきは「笑いの間」。彼は、時としてバラエティ番組の笑いのような「間」を取る。そうしたやり方は分かり易いんだけど、同時に映画のリズムを壊してしまう危険もある。でも今作はちゃんと映画になってる。それが凄いと思う。その辺のバランスのとり方が巧みだ。
 
 キャストは見知った顔が多いけれど、それぞれ個性的で観ているだけで楽しいし、笑いの部分にも変な下品さはないから安心して楽しめる。トリッキーなタイトルだし、笑える映画なんだけれど、押さえる所はきちんと押さえてあって、至極真っ当に作ってある。
 
 逆に言えば、『超高速!参勤交代』って言葉にふさわしい疾走感がもう少しあれば良かったかなとも思える。ストーリーの「山」を作ってしまうということは、その分だけスピードが落ちてしまうということだからね。
 
 ただ、それでイヤな気分になるわけでもないし、観ていて純粋に楽しめる映画。最後に「土」という言葉に別の響きを持たせているところも小憎らしい。快作。
 
☆☆☆☆★(4.5)