『天地明察』
2012年日本、141分
監督:滝田洋二郎
主演:岡田准一
概要
『おくりびと』で第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した滝田洋二郎監督が、冲方丁原作の時代小説を映画化した娯楽大作。江戸時代前期、800年もの間国内で使用されてきた中国の暦のズレを正し、日本独自の暦作りに専念した実在の人物安井算哲の半生を描く。算術と星に熱中する主人公を『SP』シリーズの岡田准一が演じ、その妻役を宮崎あおいが務める。大志を胸に抱き、何度も失敗を重ねながらもあきらめない男の心意気に感服する。(Yahoo!映画より)
感想
史実厨のボク(笑)からしてみたら、この時代の著名人オールキャストのような作り(というより著名人ばかりをフューチャーした作り)は引っ掛かるし、終盤にかけて物語の軸がブレるところも気になる。
それから、物語としては、最後に主人公が「正解」に辿り着くわけだけれど、ただその後の科学的発展から考えると、その「正解」はじつは不十分なものに過ぎないわけで…う~ん…なんて言うのかな…そうしたたゆまぬ発展がまさに科学なわけで、こう…「ゴール(正解)」を設けてしまうということの違和感は最後まで拭えなかった。
ただ…映画としてどう見るか、となると話はまったく違ってくる。映画序盤、北極出地を率いる笹野高史さんと岸部一徳さんが、歩測をしながら太ももを高く上げて意気揚々と歩く場面がある。その場面を見たとき、ボクは「あ…この映画好きだな」と思えた。
そのノリとかリズムとか…あるいは、この映画の持つ、人に対する眼差しとかね…
映像的にも、夜の表現が明る過ぎるとか、全体として作り物の感じがあるんだけど、なにかそういうものも含めて、ボクはこの映画を受け入れられると思えた。
それにはやっぱり役者さんの力も大きくて。笹野さんと岸部さんの存在もそうだけど、それ以外にも個性豊かな俳優陣が顔を揃えている。プロレスラーの武藤さんもなかなかいい味を出していた。
そしてもちろん重要なのは主役の存在。前から思っているのだけど、岡田くんは良い役者だな~と。
また良い顔をするんだよね。岡田くんが良い顔…って言うと、顔の造形的な意味に捉えられそうだけれど(もちろん、造形的にも綺麗な顔をしていると思うけれど)ここで言いたいのは、それとは少し違くて。
だれでも、「あ…今、良い顔をしているな…」と思える瞬間ってあると思うんだけれど(その「良い」が何を意味しているのか、という問題は別にあるとしても)、その「良い顔」なんだよね。
ボクは(とくに映像的な意味での)「良い役者」のひとつの条件は、その「良い顔」を(もちろん気分が乗るということも大切だけれど)ある程度自在に出来る人だと思っていて…。
そういう意味で、岡田くんは良い役者だな~と。
☆☆☆☆(4.0)