『プリズナーズ』
PRISONERS
2013年アメリカ、153分。
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
主演:ヒュー・ジャックマン
概要
『X-MEN』シリーズ、『レ・ミゼラブル』などのヒュー・ジャックマンが愛する娘を誘拐され、自力で犯人を捕まえようと行動を起こす父親を演じるクライムサスペンス。ヒューのほか、事件を担当する警察官に『ブロークバック・マウンテン』などのジェイク・ギレンホール、容疑者に『リトル・ミス・サンシャイン』などのポール・ダノら実力派俳優陣が顔をそろえる。メガホンを取るのは、『渦』『灼熱の魂』のカナダ人監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ。わが子を誘拐され、悲しみや怒りをたたえた父親を演じるヒューの迫真の演技が見どころ。(Yahoo!映画より)
感想
映画が始まって約5分後、主人公たちが居る家の赤いドアをバックに、庭先に植えられている木の木肌がゆっくりゆっくりとクローズアップされていく。なんて不吉な予感のする重苦しい映像なのだろう。さすが、アカデミー撮影賞に11回ノミネートされたロジャー・ディーキンス(本作もノミネート)。
『デスノート』などに典型的に現れているように、現代のひとつのテーマとして、司法や警察力の力が及ばない「犯罪者」たちに対してどうするんだ、というものがある。
『デスノート』は余りにもシンプルな解答…ノートによって死をもたらす…を一方で提示していた(それに対するアンチテーゼとしてエルがいた)わけだけれど、冤罪だったらどうするんだ、という問題にはさして焦点が当てられていなかった。
キラは死を給う能力は持っていたけれど、それが本当に犯罪者かどうか区別する能力は持っていなかったからね。実際、テレビや新聞の報道を鵜呑みにして、ノートに書き込んだりしていた。危ない…。
これは別に日本だけに限らず、アメリカでも同じようなテーマでやっていて、たとえば『ブレイブ ワン』なんかは、まさにそのテーマに沿った映画だった。だけど、やっぱりその問題(冤罪)にはきちんと答えられていなかった。
今作、『プリズナーズ』はその問題を取り扱おうとしている…かのように途中までは見える。ボク自身、それを期待するようなところもあったのかも知れない。
だけど、この映画はクライマックスに向けて、段々と面白くなっていく。「面白くなっていく」と書くと、いかにも良さげだけど、要はサスペンス的な謎解きの面白さが加速していくということ。それに伴って、先述の「テーマ」はほとんど何処かへ吹っ飛んで行ってしまった。
結局、面白かったけれど、さほど考えさせられる映画でもない…というのが観終わったあとの感想になった。「クライムサスペンス」って言葉から連想される通りの映画で、そうして見る分には必要充分の出来。
☆☆☆☆(4.0)