偶像のかなた35 渡辺麻友 | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
『偶像のかなた35』
 
渡辺麻友
(AKB48/チームB/総選挙3位)
 
「Valkyrie」
 

 
1.完全無欠
 
 麻友は完全無欠のアイドルと呼ばれることがある。そのルックス、そのアイドル性。ダンスはそれほど得意ではないけれど、それを補って余りあるほどの表現力を持っている。
 
 『恋チュン』や『ラブラドール』みたいなお気楽な「お茶の間曲」では分かる筈もないのだけれど、劇場での麻友はひと味もふた味も違う。なんて顔をするんだ。あの表現力は48グループでもピカイチだと言っていい。
 
 そして、なによりも、そのストイックな姿勢。「実力、人気、努力。全部誰も文句言えないのは、まゆゆしかいないんじゃかな」ってのは、盟友ゆきりんの言葉だ。優子たかみなも同意見らしい。
 
 ただ、そうした「完璧さ」が、かえって隙、あるいは人間味をなくしているという声もある。『ヒカルものたち』のPVは、そんな麻友の非現実性をうまく表していた。
 
 一方、そんな声に対して、「まゆゆは意外とぶっ飛んでいるんだ」という声がファンの間から上がることもある。実際、ハイテンションの麻友を初めて見た人は、「壊れた…?」と思うかも知れない(実際は、そっちの方が通常モードだったりするのだけれど)。
 
 だけど、完全無欠でなにが悪いんだ。
 
 恋愛もしたい。オシャレだってしたい。美味しいものだって食べたい。それが普通の女の子だ。それが人間味ってものだ。スキャンダルが起こるたび、こう言って擁護する人がいる。あるいは、バレなきゃ良いってヤツさえいる。
 
 Hell no! なんだその妥協は。この腐り切った世界で、アイドルに妥協してどうするんだ。アイドルに理想を求めて何が悪いんだ。いま、ボロボロになってしまったグループをその肩に背負えるだけの人がどれだけいるんだ。
 
 ボクは「戦士」にしか興味はない。ここは戦場なんだ。
 
 
2.言葉
 
 そんな麻友にも弱点はある。発信力がないんだ。
 
 総選挙のスピーチでは強い言葉が聞かれる麻友だけど、普段の発信力はおそろしく弱い。なんせ、あの人は、ぐぐたすもほとんどやらないからね。AKBの選抜は多かれ少なかれそうした傾向があるけれど、支店メンバーの玲奈とかさや姉に比べると圧倒的に発信力が弱い。そういう意味では、20世紀型のアイドルだとも言えるだろう。
 
 そこへ行くと、さっしーは「黒船」だ。あるいは「鉄砲伝来」と言っても良いけれど。麻友が王道の戦略で着々とAKB内で歩みを進めている間に、メディアの力を借りて、あっさりと勢力図を塗り替えてしまった。(ネットでの発信力も高いんだけれど)さっしーを押し上げたのが旧来のメディアだったという点において、むしろこれは、AKBの為した民主化革命に対する反動だと捉えても良いかも知れない。
 
 「袁世凱」…って言うとイメージ悪すぎてネガキャンになってしまうから、「ナポレオン」くらいにしておこうか。そんなさっしーに対して、ボクら(反メディアの)AKB共和主義者はどうやって太刀打ちするんだというのが、今選挙最大の焦点になる。実際、相手は強大だ。そうした状況にあって、麻友の発信力に心もとないところがあるのは事実なんだ。
 
 言葉で何かを語るのが苦手らしい麻友。だけど、いや、だからこそ言葉を大切にしているとも言えるのかも知れない。後輩たちに「背中を見て欲しい」と言っていたように、言葉に真実を与えるのは行動だ。行動こそがもっとも雄弁にその人を物語る。麻友はいつだって、その行動で言葉を証してきた。
 
 言葉だけならいくらでも言える。「新公演を始める」と言って、まったくその気配すらない運営。自分を守るために、時には仲間を守るために、平然とウソをつくメンバー。「ガチ」という言葉を喪失したAKB。こんなことを続けていれば、言葉はその魂(言霊)を失い、信心(求心力)が失われてしまうだろう。アイドルグループにとって、それはすなわち死を意味する。
 
 去年の選挙後、ボクはこう言った。「来年はまゆゆが勝つ。ボクらが勝たせる」。ニュースをつければ、今日もウソつきたちが雁首を揃えている。
 
 You have my word, Mayu.
 
 時は来た。さあ、天下を獲りに行こう。世界に「言葉」を取り戻すための戦いに。