ホビット:竜に奪われた王国(4.5) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
『ホビット 竜に奪われた王国』
THE HOBBIT: THE DESOLATION OF SMAUG
 
2013年アメリカ/イギリス/ニュージーランド、161分
 
監督:ピーター・ジャクソン
 
主演:マーティン・フリーマン
 
概要
 『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの60年前を舞台にしたJ・R・R・トールキンの冒険小説を実写映画化した『ホビット』3部作の第2章。邪悪な竜に奪われたドワーフの王国を取り戻す旅に出たホビット族の青年ビルボ・バギンズら一行を待ち受ける過酷な運命を、壮大なスケールで描く。マーティン・フリーマン、イアン・マッケランら前作からの続投組に加え、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなどのオーランド・ブルームもレゴラス役で再登場。伝説の邪竜スマウグの声を、ベネディクト・カンバーバッチが担当する。(Yahoo!映画より)
 
感想
 3部作の2作目…と言うよりも、一本の長い長い映画を3つにぶった切った内の真ん中。だから、始まりも終わりもない。第一作と世界観が変わっているわけではないし、相変わらず質は高いけれど、やっぱりこれ単体で評価するのは難しい。完結編を観るために観るような映画であることは否めない。
 
 『ロード・オブ・ザ・リング』の場合、「世界状況」と「フロドの旅」という2つの軸があった。だから「フロドの旅」という「物語」がぶつ切りにされても、「世界状況」の方で(一編ごとに)盛り上がりを作って映画的に片をつけることができた。ひるがえって、『ホビット』は、基本的に「ビルボの旅」という「物語」でほとんどが構成されている。だから余計にぶつ切りにされている印象が強い。その辺りの難しさも感じる。
 
 しかも、3年間という長いスパンで語られる「物語」。話の筋や設定そのものは覚えていても、見始めた当初は映画の世界に入りこんでいくことが難しい。要は「中だるみ」の部分から始まるわけだから、叙事詩というよりも子守唄に聞こえてしまう。幻想がぶった切られると、役者たちが立っている舞台もセットに感じられてしまうから不思議だ。
 
 戦闘場面になって、ようやく目が冴えてくる。そこで上がった物語のリズムに合わせることで(リズムが早い方が合わせやすいからね)、ようやくボクは物語に/世界に入りこんでいくことができる。ドワーフたちつえええ…それと、ファンにとっては嬉しいことに、懐かしのあの人(↑で書かれちゃってるけど)も登場する。やっぱりつええ…(゜o゜)
 
 今作の見どころである肝心要のドラゴンはどうだろうな…文字で「廃墟に眠るドラゴン」と書かれれば、それだけでかなりの迫力を感じるわけだけれど、映像にした場合、その迫力は削がれてしまう。いくら巨大な建物であっても、「建物の中」に居る限り、その分だけ相対的に小さく見えてしまうわけだからね。
 
 これは「それぞれの媒体が得意とする表現の違い」がモロに現れている場面だと思う。かつてレッシングは、ウェルギリウスの叙事詩『アエネーイス』においてラオコオンは「叫んだ」と書かれているのに、彫刻のラオコオン像はそれほど口を開けていない、という例を用いて、それを説明した。
 
 最後に主題歌。エド・シーランはボクは好きだけど、やっぱりちとポップよりかな。このことによって、映画そのもののポエティックな部分、幻想的な部分がちと削がれている。前作の主題歌が素晴らしかっただけに…って、まあ、前作の主題歌が、ボクの(もっとも)敬愛するニール・フィンだからそういうことを言う訳では…あるんだけどね(* ̄艸 ̄)
 
 ピーター・ジャクソン印の『ホビット』だから、もちろん外れなわけはない。ただ、粗を探せばいくつか出てくる。そんな感じかな。
 
☆☆☆☆★(4.5)