『正しくあるために(ボクらの敗北)』
ボクたちはまた宝を失った…。最近はブログ更新も途絶えがちだったし、学業が難しい状況になっているのは知っていた。
だから、公演終わりに話し出したときは「やっぱり…」って感じがした。でも、実際にその言葉を聞いたら、沸々と「なな子が辞めちゃダメだろ…」って気持ちが湧いてきた。それは憤りに近かったかも知れない。そして、ほどなく圧倒的な絶望と寂しさがボクを襲った。難しいのは分かっていたけれど、耐えてくれるんじゃないかと、どこかでボクは目を背けていた。
もちろん、なな子が選んだ道なんだから応援する。そんなことは当たり前だ。そんなのは応援するに決まってるじゃないか…。
でも…「なな子にとって良いことは、SKEにとってもボクらにとっても良いことだ」と言うことによって、言わなければならないことが覆い隠されてしまうとすれば、それはおかしなことから目を背けているだけだ。本当は(芸能界でやっていける筈だった)くーちゃんが辞めるって言い始めた時に気付かなければならなかった筈のこと…
もちろん、最終的には本人が選んだことだ。彼女たち自身が、自分の道はここにはないと判断したのならば、ボクらにそれを引き留める術はないし権利もない。しかし、少なくとも、ボクはSKEヲタとして、48ヲタとして、そしてひとりのドルヲタとして、なな子を失うことはSKEにとって、48にとって、そしてアイドル界にとって重大な損失だと思う(し、寂しくて悲しくて仕方ない…『目が痛いくらい晴れた空』を見るたび涙がこぼれる…)。
運営だって手をこまねいているわけじゃないだろう。オーディション解禁や茶髪解禁などは相次ぐ卒業に対する引き止め工作の一環であった筈だ。特に芸能界志望の子はオーディション解禁で少し光明を見いだしたかも知れない。だけど、それは学業でも頑張ろうと思っている子にはあまり関係なくて…そうして結局、芸能界で生きていくと決めた「アイドル・マッチョ*」ばかりが残っていく。そしてグループ自体がタレント化していく…。
(*別に否定しているわけじゃありません。そういう子はそういう子でボクは好きです)
もちろん、それはある意味では必然なんだけど、でも、ボクたちは、ちゃんと「こっちの水は甘いぞ」と言うことが出来ていただろうか、ちゃんとこっちの水を甘く出来ていただろうか。まだ道に迷っている子羊たちに、ちゃんとこっちの道を指し示すことが出来ていただろうか。
「アイドルに向いていなかった」とか「覚悟がなかった」とか言うのは簡単だ。でも、そんな原則論、精神論を振りかざす前に、考えなければいけないことが沢山あると思う。将来のSKEを担う人材だと期待され、もっともSKEイズムを体現しているメンバーだと呼ばれ、人一倍頑張り屋さんだった(からこそ苦しみもした)なな子を失うということは、事態はもはやそうした原則論や精神論では追いつかないということを表している。
結局、最後に残っている、そして最大の問題は、スケジュールの問題だ。48全体のスケジュールがムチャクチャになっていて、そのしわ寄せがすべてメンバーに行ってしまっている。もはや「肉体が精神を」越え始めてしまっている。握手会のたびに倒れるメンバーたちの姿。いくらドラマ仕立てで演出してみせても、結局、それはおかしいことを覆い隠しているに過ぎない。
もちろん、それはAKBでも同じだ。それにも関わらずSKEのメンバー(特に若手)に卒業が相次いでいる。それは、「東京でアイドルをやることと、名古屋でアイドルをやることの違いだ」と説明されることがある。ボクはそれは一理あると思う。SKEの場合、生活の拠点が名古屋にあるのに、東京での仕事も多い。生活も仕事も(大抵の場合)東京で済ませることが出来るAKBのメンバーとは違う。
実際、なな子は出席日数がギリギリだったらしい。先日、SKEを卒業していったぺんぺんも今年は大学を休学していた。東京の学校に比べて、名古屋の学校はそういう芸能活動に理解がないって話も事実なのかも知れない。
でも、だからこそ「最適化」しなければやっていけない筈なんだ。
(正直、ボクは高校を卒業したら大学に行かなければならない、18~19で大学に入らなければならないみたいな固定観念はバカバカしいと思うし、本気で勉強したければ何時でも何処でも出来ると思っている。ただ、ボク自身がレールから外れた人だから、逆にレールが敷かれていることの大切さは分かっている積もりだし、彼女たちや家族がそういう考えを持っているのなら、それは言っても詮無きことだとも思う)
「選抜」にした子や、運営が推していた子が忙しすぎて辞めてしまったり、その一方で、仕事がなくて鬱々している子もいたりする。それはもちろん、芸能界という世界である以上、やむを得ない部分はあるんだろうけれど、でも推していた子に辞められてしまったら本末転倒だろう。そもそも、それ以前に(先述したように)もう48全体のスケジュールがムチャクチャになっていて、そのしわ寄せがすべてメンバーに行ってしまっている。
もちろん、あれだけの大所帯を切り盛りするには人出が圧倒的に足りてないのは分かる。だけど、このままで良い筈はないんだろう。スケジュールの問題はそもそも握手会に依存している収益構造を何とかしなければならない筈なんだけど、いまの運営は目先の数字を確保するのに汲々としているだけで長期的なビジョンがないように見える。このやり方はもう破綻をきたしつつあるんだけど、かと言って他に方策も見当たらない。そんなことやっている内にメンバーは擦り減ってしまい、有望な子に辞められてしまう。
学校に理解がないなら、もっと緊密に連携をとらなければならない筈だし、理解を得るために(宝塚みたいに)より地元に密着した「文化」として根付いていかなければならない筈だ。もちろん、それには時間が掛かるんだけど、そのためにはひとつひとつのことをちゃんと処理しなければならなくて、総支配人がラリッてる写真を撮られて頬っ被りしてるようじゃダメなんだ。
ボクは最終的にはAKSは株式を上場した方が良いんじゃないかと思う。そうすれば、ちゃんとした企業倫理、コンプライアンスが機能し始める筈だし、ボクらも総選挙みたいな民主化ゴッコではなく、ちゃんと運営の方針に口を挟めるようになる(まあ、どれだけの影響力があるかとか、レコード会社との兼ね合いとか色々あるだろうけれど…あるいは、レコード会社と合弁で「48株式会社」を立ち上げるという手もある)。
で、ストックオプションの権利をメンバー(あるいはその家族)に与える。業績が上がれば、自分たちの懐も潤うし、メンバー自身もただ運営に従うだけの存在ではなくなる。それはモチベーションに繋がる。お金の話はアイドルにはそぐわないかも知れないけれど、今の状況は酷すぎるし、もはや「夢」とか「憧れ」ではやっていけないところまで来てしまった。今の状況ではそういう言葉が、若い女の子をこき使えるだけ使い、擦り減ったら捨てるための口実にしか見えない。
ボクは、48をもっとちゃんとした組織にしなければならないと思うし、なな子を失ったのは48というシステム自体の敗北だと思う。ボクたちはまた宝を失った…サイアクだ…ボクらはなんなんを、あの笑顔を失ってしまったんだ…