"declare war"
アイドルにはアイドルという価値観があります。それは、「アイドルはトイレに行かない」という冗談に象徴されるような一連の倫理規範を含むものです。もちろん、アイドルも人間です、トイレだって行くでしょう。しかし、その言葉が揶揄するような価値観にアイドルが支えられているのもまた事実なのです。
百歩譲って、「恋愛禁止」という「ルール」がなかったとして、それで即なんでもあり、あとは「自己責任」って考えには賛同できません。「ルール」がなかったとしても、それ以前に「マナー」という段階があるでしょう。
マナーは、ルールとは違い、それを侵したからといって何か罰を受けるものではありません。それでも、マナー違反は周囲の人に白眼視されます。それは、マナーというものが「これは善いこと、これは悪いこと」という共通理解に支えられているからです。
みなが違う価値観を持っていたら、マナーなんて成立しません。つまり、マナーがあるということは、そのマナーを守る人間同士が、同じ価値観/倫理観を共有しているということを意味します。マナーとは一種の倫理規範なわけです。
いま、ボクが運営に聞きたいのは、恋愛禁止という「ルール」があるのかどうかではなく、そうした「倫理規範」があるのかどうかです。言い換えれば、「あなたたちはアイドルという価値観を信じていますか? ボクらはいまでも同じ価値観を共有できていますか? AKBはいまでもアイドル・グループですか?」ということが聞きたいのです。
最近、これが分からなくなってきました。総選挙1位様は「恋愛は自己責任」だと言っていました。実際には「スルー」が基本になって、もはや誰も責任なんか取ろうとはしないんだから、ボクはこれはただの詭弁だと思います。
だけど、それより何より聞きたいのは、「ルールがあるかどうか」じゃなくて、「アイドルとしての倫理規範があるかどうか」です。ボクは最近、彼女の発言の端々から、彼女が「自分のことをアイドルだとは思っていないんじゃないか?」と感じることがあります。ルールがなくなったからと言って倫理規範までなくしてしまったら、もはやボクらに共有できるものはありません。
たとえば、名誉棄損を犯せば法によって裁かれますが、たとえそれを裁く法がなかったとしても、それ以前に人として言わない方が良いことってのはあるでしょう。それと同じで、アイドルという価値観を共有しているのならば、言わない方が良いことというのはあるのです。そのことすら共有できないのなら、ボクらは同じコミュニティには住めませんよ。
「自己責任」と言っているように、「何を言っても自分の人気が下がるだけだから(あるいは上がるとしても)構わん」という考えが(彼女には)あるのかも知らんですが、いまやグループの顔なんだからそれじゃ済みませんよ。グループとしてどういう方向を向こうとしているのか、ということがいま問われているのです。
あるいは、スキャンダルを起こした仲間を全力で擁護するメンバーたち。たとえば、仲間がタバコのポイ捨てしているところを見つけたら、それを注意してあげるのが真の仲間じゃないですか。何でも「なあなあ」で済ませようとするのは、もはや倫理規範が喪われてしまったということじゃないのですか?
アイドルという価値観はなにも48グループという組織の専売特許ではありません。そこが腐敗してきたら、その価値観を信じる人々は、また新たな組織を立ち上がるだけでしょう。そう…カトリックが貪り尽くした倫理規範の灰からプロテスタントが生まれてきたようにね。そして、その次にくるのは戦争です。