「夏曲PV考」(その5)
『他の星から』
乃木坂46
1.「クリエイティヴ」
アイドルという「素材」を活かしつつ、クリエイティヴな方向で用いること。もともと、アイドルとクリエイティヴィティが相反するなんて相場が決まっているわけじゃない。
なんか、近ごろの乃木坂MVを見ていると、「クリエイティヴ」という言葉が思い浮かぶ。アイドルの文脈で「クリエイティヴ」って言うと、クリエイターの型にはめて、アイドルの個性をスポイルしてしまうようなMVを連想するけれど、そういうのとは少し違う。
ちゃんと、それぞれの個性を生かしつつ、表現として統一されたものを作れているという感じ。このMVでも、7人という(比較的)少人数編成の特徴を活かしながら、画面がしっかりとコントロールされている印象を受ける。
48グループのMVの多くは(カップリング含めて)「集団」という印象が強いけれど、このMVでは「個人」という印象の方が強い。もともと、乃木坂は良くも悪くも個人主義みたいなところがあって、体育会系の部活みたいな雰囲気がある48グループでは少し異質だ。
2.集団と個人
この「集団」と「個人」って違いってどこから生じるのだろう。やっぱり、公演の問題は大きいのかな。ああいう「場」があることで、48グループには当然、集団としての結束力が求められる。一方、乃木坂は、秋元さんが「コンセプトがないのがコンセプト」って言ってるように、ちょっと放し飼いみたいなところがある。
個人の表現とグループとしての統一感ってのは、ある意味では反比例するようなところがある。もちろん、48グループの公演でも個人の表現ってのはある(すごい子は、ほんとにすごい表現力を持っている)。だけど、乃木坂の場合は、それがもう少し自由度が高い感じなんだな…
ただ、それは良し悪しで、この前の「音楽の日」なんか、SKEの統一された(というより、統一性と個人の表現がほどよく調和された)パフォーマンスは素晴らしかった一方で、乃木坂のパフォーマンスは(時間帯もあって)グダグダに見えてしまった。
かように乃木坂は振り幅が大きいから、逆に言えば、だからこそクリエイターの腕の見せどころという側面もあるのかな。
3.土地
これって、あるいは乃木坂って土地の問題だろうか?と少し考えてみる。ボクからすると、乃木坂ってのは、「新美(国立新美術館)」の街だ。駅と美術館が隣接しているってより、「駅を抜けるとそこは美術館だった」みたいな感じ(笑)
だけど、乃木坂46って、そんなに乃木坂〃した感じでもない。AKBみたいに専用劇場を持っているわけでもないしね。そもそも、(秋葉原はAKB化したけれど)AKB自体も、もともと秋葉〃した雰囲気を持っているというわけでもなかった。初期の歌詞世界なんて、むしろ渋谷って感じだった。
乃木坂も、この曲は「飯田橋」って言ってるしね。
4.コンセプト
やっぱり公演とオーディション審査の問題が大きいのかな。ミスマガ2011グランプリのみさみさとか、他の48グループ・オーディションだったら獲ってなかったでしょ。きっと。
…の割に、AKBは、エースが子どもの時からアイドルだった優子なんだよな…なんか、いつからか、秋元さんが自分の言葉/コンセプト(「クラスで何番目か云々」)に引き摺られていったのかも知れん…と言うより、期が進んだ今では、獲りたくても(神コレ・モデルオーディションでグランプリだった)光宗さんみたいに失敗してしまう恐れがある。
(15期ではまた凄い経歴の子を獲ったけど)
48グループって、上下関係とか割りにある(それはグループ内だけじゃなくて、ファンが見る目にもある)から、そういう実績を持っている子(すでに自分を確立している子)がヒエラルキーの一番下に入るってのは(人間関係とか以外にも)難しいものがある。
どのグループでも一期生が一番強い(=人気がある)ってのも、おそらく、その辺りの事情が関係してる…。で、それをリセットするための乃木坂だったと…( ..)φ
ゆえに、「コンセプトがない」と…それはつまり、(グループとしてのまとまりとか)何も考えずに、良ければ誰でも取りますよってことだよね。
P.S.
あ…ひとつ単純なことに気付いた…乃木坂のMVがクリエイティヴなのは、単にSONYだからか…(^_^;)>