「夏曲PV考」(その2)
今週のオリコンデイリーチャートで、初登場一位を記録したNMB48『僕らのユリイカ』。この曲は、今夏の各グループ表題曲の中で、もっとも出来が良い曲だと(個人的には)思います。
「僕らのユリイカ」ってフレーズは覚え易いですし、メロディもドラマティックで耳に入ってきやすい。どこか聞き覚えがあるけれど(cf.青山真治)、その意味はよく分からない。そんな言葉を中心に持ってきたことで、ポエティックでありつつ微かに哲学的な響きを持たせることに成功しています。
この『僕らのユリイカ』には2パターンのPVがあります。
1.ドラマver
メインの方は10分弱あって、ドラマ仕立てになっています。ストーリー的には、前半が『15少女漂流記』で、後半は『猿の惑星』って感じ。まあ、このタイトルでネタバレも同然なんですが、あのオチはボク的にはどうでも良いんです。支配人がPVに出てくるとか○○ですし(正直、難波の運営には言いたいことが山ほどあります)。
だけど、それにも関わらず、このPVはアイドルのPVとして、もっとも優れた特質を備えています。それは、メンバーそれぞれの表情です。「表情」ってのは、アイドルの魅力の本質ですからね。
みおりん
開始後、すぐに目につくのは兼任のフレッシュレモンみおりんでしょう。「お…レモンいるじゃん」みたいな。やっぱり、あの子はキャラを持っていますな。
ボクは、このPVを最初に見た時、「十五少女漂流記をやりたいんだったら、りぃちゃん必要なんじゃないの?」と思いましたし、今でもそう思っていますが、みおりんが上手いことそのポジションを埋めている感じです。要は、主人公(さや姉)の妹的キャラですよな。
りぃちゃんだと、「ちょっとわがままな妹」って雰囲気になるでしょう。それは、おそらくこういう感じで物語を展開させるキャラになります。
1.りぃちゃん、さや姉ちゃんに反発して勝手に行動
2.アクシデントに巻き込まれる
3.さや姉ちゃんが仲間と協力して助ける
4.みんなの絆が深まる
5.一致団結して脱出へ…
一方、みおりんの場合は、より純粋で従順な妹キャラのように見えます(で、楓ちゃんがその友だちね)。これで映画を作るとしたら、たぶんこんな感じ↓
1.さや姉ちゃんとライバルが対立する
2.みおりん、さや姉ちゃんを助けるために単独行動
3.アクシデントに巻き込まれる
4.さや姉ちゃんがライバルと協力して助ける
(以下同じ)
…まあ、結局アクシデントに巻き込まれるキャラなんですが(笑)
0:52のところのみおりんの表情は、まさにそんな雰囲気が良く出てますよね。その存在だけで物語を想像できてしまう。みおりんには、何かそんな力があるような気がします。え?フレッシュレモンは、実際にはさや姉と同じ年?…いやいや、そんなバカな(笑)
ななたん
百発百中のまぐれ当たり娘(またの名をスベルデビル)ななたんの0:58の表情も良い感じです。なんにも考えていなそうで、でも心が透き通っていて、でもやっぱりちんちくりんな菜々たんが良く出ています。
「あ…ななたん…いい子かも」みたいな…ななたんは、何だかこちらに心が透けて見えてしまうような表情/目をするんですよね。たぶん、それがボクがななたん推しの理由なんでしょうな…
けいっち
もちろん、女優顏のけいっちの存在も忘れちゃいけません。このPVは、正直、あまり彼女に向いたシチュエーションだとは思えないのですが、それでも良い表情を見せています。夕日が当たった1:27の表情なんて、「けいっち、女優だな~」って感じさせますね。
まあ、まーちゅんとケンカする場面(Short ver.では映ってません)の演技はまだまだな感じですが、それはこれから勉強していけば良いことですよね。よしりんも言っていましたが、やっぱり、けいっちは女優向きだと思います。なにか、独特の「空気」みたいなものを持っているんですよね。
まーちゅん
そうそう…まーちゅんの1:36の表情も良いですよね…あれはいかにも映画的な気がします。ドラマティックな上向きの眼差し。砂まみれのまーちゅんの泥臭さと、その向けた眼差しの先にある青い空の遠さが対比させられる良い場面だと思います。
あかりん&みるるん
(ボクが言うところの)48グループイチの美人あかりんと、天然美少女みるるんの存在も目を引きます。やはりルックスのポテンシャルが高いというのは、それだけで武器になりますし、画がグッと引き締まる感じがあります。とくにこのPVでのみるるんの美少女っぷりは半端ないっすね。
みるるんは、妹キャラというより、「ロードオブザリング」とか「ナルニア国物語」に出て来そうな幼少の戦士みたいな雰囲気。いちばん若いんだけど、誰よりも勇敢で、みんなに希望を与える(いや、勝手な設定なんですけどね)。0:54でのクールな表情がカッコ良くて痺れます。
あかりんは、1:43での目の強さが印象的です。彼女には、脳裏に残像を残していく力がありますよね。目を瞑っても、パッとその画面が思い浮かぶような。以前、そのことで記事を書こうとしてたんですけど…まあ、その内、気が向いたら書くかも知れません。
みるきー
しかし何より特筆すべきなのは、1:28のみるきーです。あれはいわゆる「永遠の一瞬」ってヤツですよ。あの表情を撮れただけで、このPVは成功だと言っても良いくらい。「さよクロ」でも大人数のなか、ワンショットで(盆踊りみたいな動きをして)惹きつけていましたし、こういう時のみるきーの力は、ちょっと恐ろしいものがあります。
たぶん、天性のものがあるんでしょうね。真似しようと思って出来るもんじゃないし、あんな表情を意図的に出せるのだとすれば、これはちょっと只事じゃないです。じつのところ、みるきーのポテンシャルは、ボクもまだ計りきれていないところがあるんですな。
2.Dance ver
ダンスverの方は、いわゆる「水着MV」になっていて、鮮やかなブルーが印象的です。まあ、これはこれで良いかなと…あまり語れるところがない…ただ、さや姉に関しては、こっちの方が断然に輝いてますよね。
ドラマverでは男の子キャラで割り食ったというのもあるかも知れませんが…たぶん…たぶんですよ…あの子は本質的に、女優ってよりもダンサーなんでしょうな。ダンス・パフォーマンスのレベルでは群を抜いています。
今回の登場メンバー:みおりん/フレッシュレモン(市川美織)、りぃちゃん(近藤里奈)、さや姉(山本彩)、楓ちゃん(矢倉楓子)、ななたん(山田菜々)、けいっち(上西恵)、まーちゅん(小笠原茉由)、あかりん(吉田朱里)、みるるん(白間美瑠)、みるきー(渡辺美優紀)