【人差し指で、耳の穴を塞いでみるとわかる】
【心の奥で脈打つもの、命を刻む時計】
【どんな悲しみに打ちひしがれても、ぼくは生きてる】
出会いがあれば別れもある。
そんなことは分かっている。
早過ぎた桜が散ったころ、
彼女はひとり旅立って行った。
その毅然とした後ろ姿が忘れられなくて、
ボクは呆然と公演をエンドレスしている。
除湿器の静かな駆動音に混じりながら…
【眠くなるまで、いくつまで数えられるだろう】
【羊は出て来ない、君への愛の言葉】
アイドルとしての、その最後の瞬間、
彼女は、この地球上の誰より輝いていた。
(失ったものに気付くのはいつだって…)
【言葉のような陽が差して】
やがて、夜は明け部屋は空色に染まる。
あのハイテンションな裏側で、いったい、
どれだけの重荷を背負っていたのだろう。
本棚に頭をうつ伏せる。
ポスターに写ったかんちるが、
満面の笑みでピースをしている。
画面では、決然としたまなざしの奥に湛えた
微かな悲しみを、優しい微笑みが包んでいる。
大切に、ひとつひとつの瞬間を越えていく。
きっと、いちど振り付けを間違えかけた。
「同情して欲しかったわけじゃない」
「メンバーひとりひとりを守って欲しくて」
戦士のように、ひとりきりで戦ってきた
その姿に、ボクの心は打ちひしがれてしまう。
【夜明けとともに、眠くなってきた】
どうかどうか、いまは翼を休めて…
【あんなに拒絶していた愛を】
【そっと抱きしめて、そっと暖めて】
再び空舞う日のために