「隕石、尖閣に落ちれば」 日テレ「バンキシャ!」で不適切発言
↑の見出しにあるように、「朝生」などでお馴染みのコメンテーター宋文洲さんが、日テレの番組で、「(ロシアに落ちた隕石が)尖閣諸島に落ちてくれないかと思ったんですね。なくなればトラブルもなくなるから」と発言したことが問題視されているようです。
そして、この発言の約20分後には、同番組のアナウンサーが「不適切発言があった」と謝罪。しかし、正直、このTV局の判断はサイテーです。我々に良くありがちな、目先のトラブルを回避しようとして、よりシリアスな問題に気付いていない典型的なパターンのように、ボクには見えます。
1.二重化
これが、たとえば「尖閣に揉め事を起こそうとする右翼政治家の上に落ちれば良い」という発言だったら完全にアウトでしょう。発言の自由というものは、誰かの自由を奪わない限りにおいて成立するからです。
でも、「尖閣なんて吹っ飛んじゃえば良い」という発言は、いかなる意味でもそういうものではありません。宋さんは中国人ですが日本好きですし、日本と仲良くやっていきたいからこそ、揉め事の種である「尖閣なんて無くなればいい」と考えることは、ボクには痛いほどよく分かる。(そんなことも理解できんのですか)
たしかに、アウトとセーフの線引きは難しいのです。しかし、そのために法律というものがあり、裁判というものがあるのです。あるいは、放送の場合は、放送倫理規定と倫理委員会がそれに当たるでしょう。
ボクは、境界が曖昧なところでは、どんどん議論して線引きを決めたら良いと思うけれど、実際には中々そうはいきません。倫理委員会にかけられるということ自体が、企業イメージ的にも良くないでしょう(白黒つかないウチにイメージが落ちるということそれ自体がホントは愚かなことなんだけど)。だから、おびえるのは分かる。
でも、これはそういうレベルのものですらありません。謝罪した理由は、いくらでも後付けすることが出来るでしょう。しかし、これは何に対して「不適切」なのか。はっきり言いましょうか。それは「国民感情」に対して不適切なのです。
ルールというものは、それ自体、絶対のものではありませんが、だからこそ、それに変更を加える時には、熟慮を経て、しっかりと合意形成を図った末に変更をしなければならない。それは個々の解釈で勝手に変更して良いものではありません。
倫理規定を越えて勝手に映像を流出させた公務員が賞賛され、その一方で、放送局は、放送倫理のはるか手前で勝手に自粛し始める。ここでは勝手に基準が二重化されている。それはどう考えてもおかしい。
しかも、そうして勝手に二重化された基準に基づいて、宋さんの発言が「間違っていた」という権威付けが(TV局によって)なされる。これはホントにバカげています。
それは「報道」のやるべきことではありません。「報道」がやるべきことは、そういう考えの人がいるということ、その考えの背景を掘り下げていくことです。本来なら、「報道」は世論の圧力と戦わねばなりません。蓋をして済ませてしまえば良い話ではないのです。
2.情報戦
こういう問題に関しては、国益というものに対するコンセンサスの問題がまた別にあるでしょう(すなわち、戦争しても守り抜くのが「国益」なのかどうか)。しかし、それ以前に、わが国は既に尖閣の主権を確保しているわけですから、交戦状態に突入させないことは、わが国の誰にとっても等しく利益である筈です。
だから、同志諸君。やらねばならないことは、ただひとつ。相手国の内に味方を見つけることです。ゆえに、これは情報戦の側面を帯びています。そして、その戦略目標は、「日中開戦回避」という共通の目的を持った味方を相手国の中に見つけ、相手国における彼らの影響力を拡大させる、という一点につきます。
鳩山さんが外交音痴(したがって情報戦音痴)だと思うのは、彼のやっていることが相手国の開戦派に口実を与え、国内の強硬派を沸騰させているだけだからです。
また、野田さんが愚かだと思うのは、自らのスケジュールを重視して、首脳会談の直後に国有化を発表したために、どちらかと言えば話の通じそうな胡錦濤さんに面目を失わせたことです。味方を見つけなければいけないのに、味方になってくれそうな人の信頼を失ったあげく、相手国での彼ら(穏健派)の影響力を失わせた。
ここで冒頭の話に戻りますが、宋さんの発言の真意は、「尖閣なんてなければ日中の衝突は回避できる」というものであり、彼は、明らかにこちら側の人間(親日家)です。その彼の力を削ぐような真似をしてどうするのですか。それは、あまりにも愚かな所業です。
この国は腐り始めています。ボクはこの国に愛着があるし、この国と心中するつもりでいますが、正直、この国に住まう一部の連中よりは、宋さんの方に遙かに親近感を覚えます。まあ、実際、ボクのブログなんて問題発言だらけですからな←「尖閣なんて売っちゃえ」って言ってた人(笑)
追記:2/26
以下引用
私は19日、日本テレビを訪れ、今回の件について次の内容で意見の一致を見た。「日本テレビは宋文洲氏の同意がない下で“不適切”との説明を行ったが、これは宋文洲氏の発言に対する批判ではなく、抗議する一部の視聴者を鎮めるためである。どの企業も顧客への対応方法を持っており、この点については問題ない。日本テレビは宋文洲氏の発言が法律及び人権上において不適切なものではなかったと認識している」。
…これが全てだね。ボクは改めて宋さんを支持するよ。