ボクがなぜここに。(4) | 想像上のLand's berry

想像上のLand's berry

言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)


『ゼノフォビア』

 前回は、「難民認定」を巡る話でした(ちなみに、ここ数年、ジンバブエの経済状態は回復傾向にあり、「ジンバブエから(南アフリカへ)の大量流入が流出に逆転した」そうです)。今回は、ゼノフォビア(外国人嫌悪)にまつわる話です。

 アパルトヘイト撤廃後、SADC(南部アフリカ開発共同体)の一員として歩みを進める南アフリカは、それなりに開放的な移民政策を打ち出しており、それは同時に、同国の経済発展を促すことにも繋がりました。

パスポートがなくても事実上自由に入国できる新たな制度を打ち出した結果、経済破綻した隣国ジンバブエの移民が大量に南アフリカに流れ込むようになった。「安くて良質」と言われるジンバブエの人材が急増し、さらなる経済の飛躍を遂げているのだ。

しかし…

その一方で、南アフリカの黒人たちの失業率が高まったため、過激な移民排斥運動も起きるようになり、治安がどんどん悪化している。

 世界のどこの国でもあることですが、南アフリカもその例に漏れず、排外的な政治家やメディアを中心に「移民が仕事を奪う。犯罪に関与している」といった主張が繰り返されました。これもまた、ゼノフォビアの空気が醸成されていく背景になったでしょう。

 こうした空気を如実に表しているのが映画『第9地区』です。あれはアパルトヘイト時代の「第6地区」からの強制移住を比喩しているわけですが、一方で上記のようなゼノフォビアも反映されているのです。映画冒頭のインタビュー場面では、エイリアンに対する人々の露骨な嫌悪感が表明されています↓(4:30過ぎ辺りから)


 制作者によれば、これは(あくまで異星人の話だと前置きした上で)ジンバブエ難民を念頭に置きながら南アフリカの普通の人にインタビューしたものだそうです。ここには、南アフリカの人びとが、ジンバブエ難民をどう捉えているかという一面が表れています(あくまでも一面ですが)。

 そして、2008年5月には、ヨハネスブルクのタウンシップ(旧黒人居住区)を皮切りに、各地で大規模な外国人排斥事件が起こりました。この一連の事件では、600人以上が負傷、62名が殺害されたのです。また、殺害された中には南アフリカ人も20人程度含まれていました。これは、「外見や、主要な南アフリカの言語を流暢に話せなかったという理由で外国人と誤認された」ためだと云われています(また、都市部における「部外者(特に北部)」への差別意識も存在したようです)。
 この逸話はボクに、関東大震災の折の朝鮮人襲撃とそれにまつわる悲劇を思い起こさせます。

朝鮮語では語頭に濁音が来ないことから、道行く人に「十五円五十銭」や「ガギグゲゴ」などを言わせ、うまく言えないと朝鮮人として暴行、殺害した

 まあ、どこの国でも胸クソの悪くなるような事件はあるわけで、直接に日本に言及することが(このシリーズにおける)ボクの意図ではないのですがね…アパルトヘイトを乗り越えた筈の南アフリカの黒人が、(他の民族に対して)差別な主張に基づいて暴力的な排斥を行う…何だかやり切れないなと思うところもあります(;一_一)

つづく


参考