『ツレがうつになりまして。』
2011年日本
監督:佐々部清
主演:宮崎あおい
概要
夫がうつ病になったことをきっかけに、これまでの自分たちの姿を見つめ直し、共に成長していく夫婦のきずなを描いた感動のラブストーリー。細川貂々のベストセラーコミックエッセイを、『半落ち』の佐々部清が映画化。大河ドラマ「篤姫」でも夫婦を演じた宮崎あおいと堺雅人が、互いを思いやろうとする主人公夫婦を絶妙なコンビネーションで演じている。シリアスな題材でありながら、ハートウオーミングな感動を与えてくれる一作。(Yahoo!映画より)
感想の前に
ぼくが学校に行かなくなった頃、「うつ病」だったかどうかというのは、自分でも謎に思う。最初の頃は全く何をする気も起きなくて、ただ毎日ずっとボ~っとしていた。本当に「うつ病」だったのか、それとも、ただの「(今でもなる)気分的うつ」だったのか…。いずれにせよ、それから社会に復帰するまでには長~い時間がかかった。今でもその頃の(そして社会生活から隔絶していた長い時間の)影響は色濃く残っているし、結局はそんな自分と社会との折り合いをつけていくしかない。
(僕のそれが本当に「うつ病」だったかどうかはともかくとして)この映画の描写に対して「これは本当のうつ病じゃない」っていうレビューがあることは理解できる。でも、この映画は少なくとも実体験に基づいているわけだし、「本当のうつ病」と言っても、重度軽度それぞれあるわけだから、それは全く本質的なことじゃない。自分の体験だけが真正だと思うのは、実際に経験した人が犯しがちな間違い(だし、僕はそういう人が大嫌い)。そこには人の体験に対する敬意が微塵も感じられない。そのレビューは単に「ここに描かれているうつ病は自分のものほど重度じゃない」と言っているに過ぎない。
この映画は「この程度の症状のうつ病を描いた映画」なのであって、(描かれているものが明らかに「うつ病」とは違う―たとえば、ただの「気分的うつ」―ならば別だけど)そのことを批判するのは筋違い。「うつ病」をテーマにしたからといって、「深刻なうつ病」だけを取り上げなければいけない理由なんて何処にもない。たとえて言うならば、重かろうが軽かろうが風邪は風邪なのであって、深刻な風邪だけが風邪であるわけじゃない。当たり前のことでしょ?
―intermission―
感想
「ぼくが本当にうつ病だったかどうかは分からない」と上に書きましたが、なんとなく「あ…分かるな…」って感じの描写は多いです。周りの反応なんか特にそんな感じだったな(こう、そっと見守るって感じね)。うつ病にかかった本人(堺さん)の心理描写よりも、周りの方の心理描写に説得力があるのは、原作者の細川さん自身が支える方(宮崎さん)の立場だからでしょう。(細川貂々:うつ病を患った夫・望月昭との夫婦での闘病記をイラストを交えて綴った『ツレがうつになりまして。』を2006年に発表―Wikiより)
相変わらず宮崎さんは良いですね…あれだけの完成度を持った女優さんは現代の映画界においては稀有だと思います。一方の堺さんは、ミスキャストとまでは言わないですが、ちとハマッてない感じがしました。もともと、彼の魅力はあのハイトーン・ボイスとちと危ないキャラなわけですが、この役ではそれを活かすことが出来ません。確かに、堺さん自身の演技の幅を示すのには一役買ったとは思いますが、敢えて彼をキャスティングする必要はあったのかなと。まあ、画には上手く収まってますけどね。
ことさらに悲劇ぶるのではなく、感動を押し付けるわけでもなく、淡々と描いていく心の曇り空。しかし、正直な話…ちと羨ましい…だって、なんだかんだ言っても、宮崎さんが傍に居てくれるんだよ~!(*゜o゜*)←いきなり壊れる人(笑)…まあしかし、ああいう夫婦は良いですな…お互い支えあって、気遣いあって…こう、優しさ思いやりってものがさ、映画の中に充ち満ちているように感じられるのでした(*^_^)b
☆☆☆☆★(4.5)