
『シンセミア』
阿部和重
2003年
概要
20世紀最後の夏、神の町で何が起きたのか? 自殺、事故死、行方不明と事件が相次ぎ、自然災害が住民を追い詰める。やがて訪れる審判の時とは?『ニッポニアニッポン』や『グランド・フィナーレ』につらなる《神町クロニクル》の壮大な幕が開く。伊藤整文学賞と毎日出版文化賞をダブル受賞した傑作長編。(Amazonより)
感想
『ニッポニアニッポン』『グランド・フィナーレ』『ピストルズ』と続いていく神町サーガの一作です。先に『ピストルズ』を読んでいたので…実はちょっと先が読めてしまったのですが(^_^;)>…まあ、しかし、それは余り問題になりませんでした。阿部さんの小説は、結末への興味より、展開の妙で読者を引っ張っていくような感じですね。
まあしかし「ひっどい話」です(;一_一)…この世のありとあらゆる悪を1つの町にぶち込んだような…正直、ついていけないようなところもあり、しかし読むのも止められずと…ちと、中毒的な側面がありますな。60万字になんなんとする大長編を一気に読ませてしまう力量は圧巻です。ただ、この「解決」はやや短絡的というか唐突というか…なんだか釈然としない感じが残りました。
この作品を貫く天を呪うような毒々しさ…のちに出された『ピストルズ』(2009年)などを考えると、阿部さんは年と共に丸くなっているようですな…それはむしろ、いい傾向だと思いますね。さて、次は『グランド・フィナーレ』を読もうかな(* ̄艸 ̄)