なでしこ-スウェーデン戦雑感 | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
ロンドン五輪女子サッカーグループステージ第2戦
 
なでしこ 0-0 スウェーデン
 
 う~ん…あまり良くないですね…メディアなどの報道では「決定力不足」の一言で済まされるのかも知れませんが、事態はもっと深刻だと思います。結果的には引き分けでしたし、勝つチャンスもありました。しかし、負ける可能性も大いにあったと思います。これがドイツやブラジル、アメリカ、あるいはフランスだったら見逃してくれたでしょうか。佐々木監督が「我々は成長している」「あとは決定力」みたいなことを言っていましたが、(これが例えメディア戦術に過ぎないとしても)やや甘きに過ぎる見方だと思いますね。何より、チームとしてベストの組み合わせを見つけられていないことが気になります。
 
 今大会は、大野を右サイドから前線に、川澄を前線から左サイドに、宮間を左サイドから右サイドに回して戦っているなでしこ。これには長短それぞれの効果があると思います。長所は、川澄-大野-澤のINACトリオが良い距離感/関係を保てていることです。この試合でも、3人の連携からチャンスを生み出していました。大野が右、川澄がトップでも距離感は変わらないような気もしますが、普段クラブチームでやっている形に近いのが現在の形なので、この方がプレーし易いのでしょう。
 
 一方、短所は(前回の記事でも触れましたが)宮間が右サイドで孤立してしまうことです。なでしこのビルドアップは鮫島から始まりますから、必然的に左に偏る傾向があります。そのため、(多くボールに触れることで自分のリズムを作っていくパサータイプの)宮間は、ボールを欲しがって中に入ってきたり、後ろに下がってきてしまうのですが、これはむしろ(相互の距離感が不均等になりチームのバランスを壊し、パスの選択肢を減らしてしまうので)逆効果です。
 
 ここで参考になるのはセルティック時代の中村俊輔です。彼は元来トップ下の選手ですが、セルティックでは主に右サイドを担当していました。そこで彼は外に張って、相手陣内のコーナーポスト付近の深い位置からチャンスを作るスタイルを確立したのです。宮間も同様にサイドの高い位置を保ってチャンスメイクに徹し、ボランチなどの飛び出しを引き出した方が良いのかも知れません。サイドに張りつくということは、サイドに蓋をすることを意味するので、近賀のオーバーラップが難しくなるのですが、これはむしろチームにとってはプラスになると思います。左サイドの鮫島が常に高い位置を保っているため、右サイドの近賀が同時に上がってしまうことは、チームのバランス上、あまり好ましくないからです。
 
 また、サイドを駆け上がったものの、シュートまで結び付けることが出来ずにカットされ、カウンターで自分のサイドを衝かれた場面が鮫島にも近賀にも何度かあったのですが、あれは危ないですね。あれを回避するには、もっとシンプルなプレーを心掛けることが大切であり、そのためには(パスコースを生み出すための)選手の距離感が大事になってきます。今のなでしこは、もはや澤はピッチ全域を埋めることが出来ませんし、阪口の出来も良くありません。選手各々の距離感をこれまで以上に注意深く意識しながらプレーする必要があるでしょう。