ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(4.5) | 想像上のLand's berry

想像上のLand's berry

言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
 
2011年アメリカ、129分
 
監督:スティーヴン・ダルドリー
 
主演:トム・ハンクス
 
概要
 大好きな父親を911のアメリカ同時多発テロで亡くした少年が、父親の残した鍵の謎を探るべくニューヨーク中を奔走する姿を描く感動ドラマ。ジョナサン・サフラン・フォアのベストセラー小説を、トム・ハンクスとサンドラ・ブロックという二人のアカデミー賞受賞俳優の共演で映画化。『リトル・ダンサー』『愛を読むひと』の名匠、スティーヴン・ダルドリーが監督を務める。鍵穴探しの旅で父の死を乗り越え、力強く成長する少年には、映画初出演のトーマス・ホーンを抜てき。ダルドリー監督の繊細な演出と俳優陣の演技が感動を呼ぶ。(Yahoo!映画より)
 
映像センス
 特筆すべきは、その色彩感覚。オレンジがかった赤と、緑がかったブルー。一貫して青が意識されていて、これは、おそらくWBの色温度を下げているんだと思うけど(実際にブルーのライトを使っている場面もあるのかな…?)、Arri Alexaというフィルム風の(RAWデータで保存できる)デジタルカメラで撮影しているらしいので、もしかしたら後から色々と調節しているのかもしれない。画面全体が薄くブルーに引っ張られて、そこに映える赤が効果的だった。また、いくつかの場面では明確だったけれど、とても明るいレンズを使っていて、被写界深度の浅い(=背景ボケをいかした)映像になっている。この辺り、写真的な表現にも近いように思う。とにかく、映像的なセンスは図抜けている。
 
映画的風景
 誰もが何処かに痛みを抱えている。映画全体を通して流れる感情のリズム。題材や描きたいことは『再会の街で』に通じるものだけれど、(主人公が少年だということもあるし)映画それ自体の作りや、映画の持っている空気は、むしろそれほど似ていない。もちろん、それは悪い意味ではなくて、たとえば、『ネバーランド』や『小説家を見つけたら』『ミリオンズ』などの映画風景が(物語として似ているわけではないけれど)時折、頭をよぎった。
 
物語
 原作物だということもあって、ところどころ、(映画というよりは)いかにも小説的(=言語的/文学的)な表現だなと思わせるところがある。ひとつの表現を別の媒体で表現するということは(いずれにせよ)常に難しさが付き纏うわけだけど、その辺りは上手くtranslate -翻訳-できていると思う。ただ、ある伏線を(物語的にではなく、気分的に―文学的にと言っても良いかもしれないけれど)上手く回収できていなかったように感じて、原作のあらすじをチェックして見たところ、その部分にはやはり少し変更があるようだ。これはちょっと原作を読んでみないと判断できないところがあるなと…残り0.5点はその辺かな。(流石に貸し出し中だったけれど、図書館に置いてあるみたいだから、今度借りてこよ(* ̄艸 ̄))
 
☆☆☆☆★(4.5)