euro雑感18 | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)


ドイツ1-2イタリア

 決勝トーナメント一回戦(ギリシャ戦)の記事で、ドイツが優勝候補だとは思えないと書いたのですが、まさにその通りの展開になってしまいました(予想が当たった時だけ誇る人-笑)。あのギリシャ戦で、ドイツは前線の選手を入れ替えて戦ったのですが、お世辞にも機能しているとは言えませんでした。しかし、(ラクに)勝ってしまった。やはりギリシャが弱すぎたのです。ここから、すでにボタンの掛け違えは始まっていたのです。このイタリア戦では(ギリシャ戦で)入れ替えたメンバーをほぼ戻してきたのですが、唯一、右サイドのミュラーだけはクロースに代えてきました。結果から言えば、この選択も非常に間違ったものでした。戦術眼とポジショニングに優れ、サイドから仕掛けることも裏を狙うことも出来る上、労を惜しまず、かつ気の効いたプレーを見せるミュラーを外したことで、ドイツ前線の機能性は半減し、結果的にゴメスの孤立を生むことになったのです。そもそも、ドイツはエジルとシュバインシュタイガーが共にゲームを作れますし、ここにさらに典型的な司令塔タイプのクロースを加えたことで、まさに「船頭多くして」の諺通り、ドイツの推進力は致命的に削がれてしまったのです。これは悪い時のスペインにも良く見られる傾向です(すなわち、キープは出来るけど、ボールが有効にボックス内に入っていかない)。

 一方のイタリアは「マエストロ」ピルロに加え、抜群の攻撃センスを誇るモントリーヴォがW司令塔の役割を果たしていました。これに労を惜しまないマルキジオとデロッシが絡む中盤は機能性が高く、実際のところ、三枚の司令塔を揃えてきたドイツよりも、イタリアの二枚の司令塔の方がより有効にチャンスを生み出していたのです。ここに悪童コンビのカッサーノ&バロテッリが絡むイタリアの攻撃陣は迫力があり、とても魅惑的でした。また(マルキジオを筆頭に)良く走るチームでもあり、見ていて面白いサッカーをしています。大会前は前評判の低かったイタリアですが、今大会の戦いぶりを見て応援し始めた人も多かったのではないでしょうか。かく言うボクも(元来はイタリアびいきなのですが)大会前にはさほど期待していなかったので、これは嬉しい驚きでした。

 魅惑の攻撃陣を持つイタリアは前半、カッサーノが個人技で崩して上げたクロスに、バロテッリがヘディングで合わせて先制。さらに、モントリーヴォのビューティフルなロングパスから、これまたバロテッリが抜け出し、右足を振り抜いて豪快にゴールに叩き込み追加点。早々に2-0の状態に持ち込みました。この2点はいずれも個人技で奪ったものであり、イタリアの個の力が光っていました。特にドイツの右サイドバック、ボアテングはケチョンケチョンにやられていましたね。しっかし、それにしてもバロテッリ(の2点目)はどうやったらあんなシュートが撃てるんでしょうか。バズーカ砲みたいなシュートをゴール右隅に叩き込んだので、さすがのノイヤーも一歩も動けませんでした。まさに「スーパーマリオ」…化け物ですね。

 あとがなくなったドイツは後半開始からゴメスに代えてクローゼ、ポドルスキーに代えてロイスを投入したのですが、これはむしろ(悪かった)ギリシャ戦のメンバーに戻すことであり、事態を悪化させるだけでした。また、今大会、ようやくエースとして覚醒したゴメスをなぜ信頼し切れなかったのかなという疑問も残りました。前に人数を掛けながら攻めあぐねるドイツを尻目に、イタリアはカウンターで有効にチャンスを掴み、いく度となく決定的な場面を迎えました。しかし、いずれも決め切ることが出来ず、試合は終盤を迎えました。ここでドイツはいよいよミュラーを投入、これは右サイドバックを削っての投入だったので、もう守備はどうでも良いからとにかく点を取るんだという、なりふり構わぬ交代策でした(クロースとケディラで中盤を形成し、右サイドはシュバインシュタイガーがケアするような形でしたかね)。一方のイタリアは(これより以前に)殊勲の2トップを下げ、さらにモントリーヴォに代えて守備的なモッタを投入するなど、着々と逃げ切り態勢を固めていきます。

 しかし、GKすらも前に出てくるようなドイツのなりふり構わぬ猛攻の前に、イタリアは徐々に押し込まれはじめ、後半ロスタイム、ペナルティエリア内のハンドによってついにPKを与えてしまいます。これをエジルが冷静に決めて一点差。騒然とする場内の声援を背に、果敢に攻め込むドイツは同点の予感すら感じさせたのですが、あえなくタイムアップ。イタリアの決勝進出が決まりました。ドイツにとっては悔いの残る敗戦でしたかね…試合終了後、ピッチに佇んで(おそらく「なんで先発で使ってくれなかったんだ」と)憮然とするミュラーの姿が印象的でした。