euro雑感15 | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)


スペイン2-0フランス

 司令塔のナスリを外して、右サイドバックのレヴェイエールを起用し、それまで右サイドバックで使っていたドビュッシーを中盤に上げるという守備的な布陣を敷いてきたフランスですが、結果的にはこの戦術は機能しませんでした。というよりも、戦術そのものが無いに等しかったのです。フランスはブロックで守るのではなく、ある程度、人についていく守備をしていたのですが、フランスの右ウイングは守備的なドビュッシーでしたから、スペインの左サイドからの崩しに対して、かなり自陣まで戻って守備をしていました。ところが、それに引き摺られて守備陣が右にスライドすると、フランスの左サイドにはぽっかりとスペースが出来てしまうのです。本来ならば、左ウイングのリベリーか中盤左のマルーダがそこをケアしていなければならなかった筈ですが、彼らは、そのスペースを埋めることはしませんでした。前者はカウンターのため、後者はスペインの中盤を警戒したためでしょう。チームとしての意思統一が全くと言っていいほどなかったのです。そのため、(前半終盤辺りからリベリーがケアするようになりましたが、)フランスの左サイドには常にスペインの選手がひとり分余るような状態が続いていたのです。シルバやアルベロア、シャビ・アロンソなどがそれを見逃す筈はありません。最終的にはスペインの左サイドバック、アルバの崩しから、どフリーになったシャビ・アロンソがヘッドで先制点を決めました。

 とは言え、スペインにとっても完璧な試合だったというわけではなく、フランスが前線からプレスを掛けるようになると、さすがに苦しみ出しました。後半途中からはパスが繋がらなくなり、スモールフィールドを作れなくなった中盤には広大なスペースが生まれていました。一方のフランスはメネズ、ナスリ、ジルーといった攻撃的な選手を矢継ぎ早に投入して打開を図ったのですが、チームとして彼らを意図的に使うような姿勢も見れず、いつぞやのオランダのように、ただただ前線に人が溜まっているだけという非効率的な状態に陥ってしまったのです。前掛かりになったフランスに対して、スペインはペドロとトーレスを投入して裏を狙い始めたのですが、これは逆にますますパスが繋がらなくなるという副作用も生みました。それでも、ペドロは持ち前のスピードと思い切りの良さで効果的にフランス守備陣の裏をつき、最終的には決定的なPKも奪って勝利に貢献しました。一方、トーレスの方は、再三に渡ってオフサイドラインに引っかかり、完全に空回りして試合を終えました。

 正直、なんとも言い難い試合だったわけですが、少なくともフランスは、自らのポテンシャルを最大限に発揮した上で負けたという感じではなかったですね。だからこそ、フランスの解説者たちはこぞって「フラストレーションの溜まる試合だった」と言っているのでしょう。そうですね、2002年W杯決勝トーナメント一回戦トルコ戦を思い出します。あの時の日本もこんな感じだったですね。