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5月8日朝,開発関係当局(カトマンズ開発局,バグマティ総合開発委員会)は,ブルトーザーと作業員,武装警官隊1800人,警官多数を動員し,タパタリ近くのバグマティ河岸のスクォター「不法居住」地区を急襲,バラックを一気に踏みつぶし,スクラップにしてしまった。(ネパール評論 Nepal Review)
「5/8、ネパール首都カトマンズ」
一枚の写真は言わば物語の断片です。
その背後には様々な文脈が存在します。
一枚を見ただけでは物語を把握できないとしても、
他の写真を見ることによって補強することができるでしょう。
さらに動画は、その情報量によって多くのことを伝えます。
また、当然のことながら、文章によっても物語は補強されます。
つまり、それらは、一枚の写真の文脈として機能します。
そうして、ぼくらはある物語を把握するのです。
それは、終わりのない物語、開かれた物語です。
ぼくは、この物語が良いのか悪いのかは言いません。
たとえば、5/13、ネパールのバッタライ首相は
不法居住者に会い、食料や避難所の確保を約束しましたし、
それ以前から、政府は補償として不法居住者たちに対して、
Rs.15,000(180ドル)を提供することを明言していました。
(ネパールの農村の平均年収は「300ドル以下」-wiki-)
不法居住によって、その地区がスラム化する恐れがありますし、
都市の美観や、犯罪予防という観点からも、正当化されうるでしょう。
(例えば、↑の動画には「good job」というコメントがついています。)
ただ、次の動画を並べると、不思議な感覚に陥るかも知れません。
これは、不法居住者たち自身が建てた小学校の動画です。
この小学校もまた教会などと一緒に撤去されました。
こうしてまた、この物語は別の色彩を帯びます。
この動画を、前の動画の次に並べること、
これ(この記事)は、ぼくが語る物語です。
たとえば、マオイスト(毛沢東主義派)政権に対して、
「ほら、王制を廃止しても、それだけで幸せになれるわけじゃないんだよ」
と主張することも可能でしょう。(ネパールは2008年王制廃止)
もっとも、それは、too cheapな物語ですが。
もちろん、そんなことを言いたいがために、これを書く訳ではありません。
その基礎となっている一枚の写真が、どこまで語ることが出来るのか。
それを問題にしたいのです。
つづく