エンディミオン | 想像上のLand's berry

想像上のLand's berry

言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)


 心の中に闇が広がる。胸騒ぎは収まらない。ぼく自身は大学に残るのに、なぜだか自分が引き剥がされるような気がしている。かぐやさんは、たんなる個人を超え、あらゆる美の類型だった。きっと、「救われる」って書いていたのは、誇張じゃなかったんだ。今までは、少なくとも繋がりがあった。一年以上会っていなくても、それでも、ぼくらはクラスメイトだった。今、ぼくは何処にも繋がっていない。あらゆる美から切り離されている。「美とは触れえないものに触れることである」…では、美そのものを、つまるところ、触れえないものを見失ってしまったら?…世界は暗闇の中。光の射し込まない牢獄の中。ちょうど、そんな気分だ。世界は壁の向こうにある筈だけど、今のぼくにはそんなこと信じられない。ぼくは、何の罰でここに居るんだろう?…いや、それは分かっている筈だ…

 かつて、詩人たちは様々な形で自己の悲恋を綴った。『青い花』『まだらの鳥』『若きウェルテルの悩み』…詩を失ったボクは、それを昇華させることが出来ずにいる。だから、どうにかして詩論を修めようとしている。そんなことで詩が生まれるわけではないと分かっているのに。それでも、彼らが抱えていたものに僅かでも触れることで、ほんの少しは気が紛れるんだ。

 今でも、あの子の夢を毎日のように見る。それは何故だか段々と夢の本筋とは関係なくなっていって、今では、ほとんどまるっきり脈絡がなく登場してくるようになった。それは、きっと、現実と夢そのものとの距離。14:30。すべての時が止まった時間。あれから、ここまでの距離。あの子がいなきゃ、生きていけないって思ってたのにね。引きちぎられた翼は、ただそれだけの力で天国へと昇っていった。エンディミオン、永遠の眠り。時々、無性に、この星の重力に耐え難くなる。